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風に恋う

本社には読書部がある。

ちょくちょく社長室に来て
僕の本棚から選んで読んでいるとのこと。

本好きとしては
ものすごくうれしい!

しかし気になっていることがある。

会社の本棚に置いてある本は
ほとんどがビジネス系なのだ。

「どちらかというと、小説を読んで欲しいナ」

そんな思いがあるので
読書部員にも夏に本を読もうと思っている
ブラスメンバーにもイチ押しの本を紹介したい。


表紙の絵の通り
吹奏楽部を題材とした青春小説だ。

僕のブログの「本のこと」カテゴリーの半分は
青春小説のような気がするけど
50歳を過ぎても好きなのだからしょうがない。

「こんな青春を送りたかったナ・・・」

憧れが今もあるのだろう、きっと。

ブラスバンド部をつくった40歳の時に
僕もサックスを始めた。

その経験を元に
会社説明会や講演で話すことがある。

「楽器の練習にコツはないです。
集中して時間をかけて練習しなければ
決して上達しないのです」

大人になると、ついつい近道を見つけたがる。

が、サックスを吹くと「近道などない」と
楽器が教えてくれる。

この本の主人公は
吹奏楽部の顧問の先生と部員たち。

「部活は先生との出会いだな〜」

果たして吹奏楽部はコンクールで
全国大会へと進めるのか。

先生はどんな道を選ぶのか。

第四章だけは誰にも話しかけられない場所で
ブラスバンド部の合奏を本から聞いてください。

クローゼット

日常生活でも旅行でも
カバンに本が入っていないと落ち着かない。

ま、軽い活字中毒にかかっている人は
ほぼ同じ症状だと思う。

それでスペイン旅行には
ドレスのことを書いた本を持っていこうと探したら
こんな小説と出会った。


「人は好きなことを仕事にした方が幸せだナ」

二人の主人公は幼い頃から
クローゼットの中の母親の服が大好きだった。

洋服好きの二人が出会うべくして出会った場所は
「服飾の美術館」

世の中には知らないだけで
ホントに様々な仕事場がある。

「知ってましたか?」

古い洋服を集めた美術館があり
そこでアンティークなドレスたちを修復する仕事があることを。

好きな仕事も枝分かれしていくと
いろいろあるものだなとつくづく思う。

西洋の服の歴史は古い。

映画で描かれているように
ココ・シャネルが現代の服の基礎を作ったのは
まだ最近のこと。

その前に500年の歴史があると書いてある。

当時の服は下着=コルセットが大事で
その下着たちは理想の体型美を作るためにあった。

女性はコルセットの締め付けが苦しすぎて
気絶したり、内臓を圧迫して健康を損ねたらしい。

笑えない話だけど
美しく服を着るための努力は現代でも同じだ。

ダイエットをしたりヒールを履いたり。

「女性の心理は変わりませんね〜」

あっ、男も同じだ(一部ですが)

僕も人並み以上に服が好きだから
読んでいて共感しまくった。

「服や靴の手入れをする人は
人との関係も丁寧にするでしょ」

大いに共感できるセリフだ。

自分が好きなものに囲まれて
仕事をしている人は魅力的だから
自然と魅力ある人々が集まるのだ。

洋服が大好きな人や
それに関わる仕事をしている人に
絶対の自信を持ってこの本をススメます!

西郷どん

「年末年始は本を読もう!」

ということでブラス本社では
非公認ながら「読書部」が
結成されたということもあり
お正月に読む本をすすめたい。



大好きな林真理子さんが書き
大河ドラマの原作でもある
これを読まずして何を読むんだ。

それが「西郷どん」だ。

ちなみにタイトルは薩摩弁で
「せごどん」と読む。

幕末の英雄である
西郷隆盛を知らない人はいないでしょ。

ところが中学高校で習う歴史は
幕末の時代になると切羽詰まってきて
案外あやふやなまま終わっている。

この物語は西郷の人生を通して
幕末から明治維新へと続く
日本の一大転機となった時代を知ることができるのだ。

しかも林真理子が書くのだから
抜群に面白い!

(ちなみに林さんは
歴史に残る小説家だと僕は思います)

時代が英雄を生むのか
時代が英雄を要請するのか
たまたまその時代に生まれただけなのか。

「大なり小なり、人の人生は時代が決めるのだナ」

歴史小説を読めば読むほど
感じることだ。

あっさりと人は死んでいくし。

だって殿様が死ねと言ったら
理由はどうあれすぐに切腹だもの・・・。

どうして西郷は日本史上最後の内戦である
「西南戦争」を指揮したか。 

上中下巻を読み切って考えて欲しい。

そして西郷どんが今も
多くの人々が愛し尊敬する理由が
はっきりとわかるはずです。

これも合わせて読むと
さらに西郷のファンになるはず。

でもこの本に西郷は登場しません(笑)

琥珀の夢

一泊二日で久しぶりに仙台に行ってきた。

名古屋〜仙台は新幹線で行くか
飛行機で行くか迷う。

僕は東海道新幹線から
東京で東北新幹線へ乗り継ぐ手段が好きだ。

時間的に行くと飛行機が早いのだが
新幹線でゆっくりと本を読む時間が貴重なのだ。

ここのところ移動時間に
読み続けていた小説がこれ。


大好きな伊集院さんが書いた
サントリーの創業者である
鳥井信治郎の伝記小説だ。

鳥井信治郎は歴代の日本の偉大な創業者のひとり。

明治初期に欧米諸国に学び

「やってみなはれ」

の精神で日本の洋酒文化の礎を築いた。

読めば読むほどに
刺激を受けつつも自分の甘さを思い知る。

「この時代なら、俺はとても通用しないナ」

それでも時代を超えて
商売に普遍的な基本はある。

「どれだけ苦しくとも社員一同が
自信を持ってお客様に進める商品は
絶対に安売りをしない」

「会社の理念を絶対に曲げない」

「働く社員を大切にする」

などなど。

鳥井信治郎の一生を共に歩みながら
今の自分に生かせることが散りばめられている
ビジネス書であり優れた小説だった。

「やってみなはれ」

いい言葉です。

末永く、お幸せに

結婚式を題材とした小説となると
すぐに読みたくなる。

作者が、あさのあつこさんならなおのこと。


主人公の結婚披露宴に出席している
ゲストの心情を綴った小説だ。

8名がそれぞれの想いを言葉にのせて
心の中とスピーチで新郎新婦に向けて語り続ける。

小説を評論したり、深読みできるほど
僕は優れた読み手ではない。

ただ、結婚披露宴を舞台としたこの小説だけは
評論家のみなさんとでも互角に渡り合えると思う。

そりゃ、毎週毎週現場を見てますからね。

当たり前だがほとんどの結婚式は
これほどドラマチックではない。

しかし、それぞれの新郎新婦が生きてきた過程があり
出会った人々が一堂に集う場が結婚式であるならば
確かにそこで語られるべき物語があるのだ。

そして結婚式でしか語ることができない
言葉があると僕は信じている。

第一話は友人のスピーチ。

何度も何度も書き直した原稿を見ながら
友人は新婦に向かって語り続ける。

途中司会者が
「どうぞ、お続けください。もっとお聞かせください」
と、言葉を挟む。

素晴らしい!

日本中の司会者の中で
これを言える司会者がどれほどいるだろうか。

第三話は二人の担当ウェディングプランナーが語る。

披露宴会場は小さなホテルで
一日に二組しか結婚式をしない。

担当プランナーは
大手のホテルのやり方が合わずに
この小さなホテルに転職してきた設定だ。

作者はプランナーの仕事について
深く考え抜いていると思う。

披露宴中に担当プランナーが
部下に指示を出す場面がある。

「あの子どもさん、少し退屈しているみたいだから
なんとかしてきて」

ウェディングプランナーが現場で
そんな指示を出せるとしたら素晴らしいことだし
隠れたファイプレーだと思う。

新郎新婦と信頼関係を
しっかり築いているからこそやれることがあり
築いてなければやれないことが沢山あるのだ。

「こんな仕事をするプランナーが
この日本に増えるといいナ」

思わずにはいられない。

しかしだ。

専門家ではない作者に
ツッコんでもしょうがないことはわかっている。

そのホテルのプランナーは
たった一人で全件の担当をしているとの設定だ。

「そりゃ、現場で毎回仕切ることは不可能だよ」

と、呟きながら
過去に読んだ結婚式に関するどの小説よりも
リアルな物語の中に入り込む。

いい場面の連続だ。

どれもこれも担当プランナーの判断と
会場の協力がなければ実現しない。

そしてそれがなければ
ゲストひとり一人の胸に
感情の波が起こりようがないのだ。

結婚式は新郎新婦を祝いながらも
自分自身の過去と未来に
思いをはせる時間が訪れる。

最後は新婦の母が語り
花嫁の手紙で小説は終わる。

仕事では泣かないけど
本の中の披露宴で図らずも泣けてきた。

この最高の結婚式小説を
社員全員に配りたいところだけど
本は自分で買って読むことにも価値がある。

ぜひ、ぜひ、本屋さんでもアマゾンでも
まずは買おう!

河合達明

自信を持っておススメします!!

あの子が結婚するなんて

この作者の結婚小説はホントに面白い。

なので今回も本の装丁と
タイトルに引かれてすぐに購入した。


「あの子が結婚するなんて」

というタイトルから想像すると
物語の主人公は結婚が決まった女性の
友人だということになる。

「親友は大事、友情も本物、でも・・・・」

32歳の独身女性が親友の婚約を機に
揺れ続ける心情を赤裸々に語り続ける小説なのだ。

毒気たっぷりに(笑)

そう、毒の種類は別として
少量の毒すら入っていない小説など何の値打もない。

「ほぉ、これが30を超えた独身女性の心理か〜」

当然ながら
すべての女性が同じわけじゃない。

ただ「結婚」というワードが絡むと
どうしても回りと比べてしまうことは想像できる。

さて「痛快ブライダルコメディ」
と、本の帯に書いてある。

婚約から結婚式当日までに
様々なドラマが起こる以上
結婚式場の担当者も絡んでのドタバタがある。

作者は綿密に業界のことを研究したとは思う。

しかしだ。

「おいおい、それは勘違いだぞ!」

本を破きそうになるページもあれば

「アッパレ、その通り!」

結婚式は新郎新婦が
幹事役をやりながら当日はドレスを着て
主役になる難しさを書いた部分は思わず膝を叩いた。

結婚式業界に働く人は
さらに楽しめる小説だと思いますよ。

アキラとあきら

銀行マン=バンカーの物語を書いたら
この人の右に出る人はいない。


半沢直樹で大ブレイクした
池井戸潤の新作はいきなり文庫で登場した。

今から15年前の2002年の春。

ブラス一号店である
ルージュ:ブランの建設を決意した。

資金はほとんどないのに・・・。

今でこそ笑い話だけど
当時は毎日が薄氷を踏む思いだった。

ギリギリで資金調達ができたのは
当時の銀行担当者の熱意があったからだと思う。

「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」

こんな言葉が経営者の間でいわれている。

もしそれが真実だとしたら
バンカーの仕事は何と味気なく
誰でもできる仕事だという証になってしまう。

池井戸さんは自らの経験を踏まえ
バンカーの仕事の社会的意義と
やりがいを書き続ける。

現実はこんなにドラマティックではないし
もっと泥臭いのは百も承知で。

アキラとあきらの物語も
ラストは手に汗握る展開になる。

今作もまた本を読みながら
融資が下りずに絶体絶命まで追いつめられる
社長になったかのごとく

「そんなバカなことがあるか〜」

「いい加減にしろ、それでは企業は育たんぞ〜」

と、思わず声を出しながら読んだ(アホ)

アキラとあきらは僕と同年代の設定だけに
さらに楽しめる作品でした。

蜜蜂と遠雷

「ブラスバンドの楽器のように
個性的で温かい人が集まって最高の演奏をする」

そんな思いを込めて
ブラスという社名を付けた。

それ以来

「ブラスバンド部で活躍してたんですよね〜」

と、当然ながら聞かれる。

「はい、ブラスバンドの楽器には
触ったこともありません・・・」

という会話の次に話すことをつくる為にも
一号店をつくった直後にブラスバンド部を結成した!

滑ったり転んだりしながらも
ブラスバンド部は活動を続けてきた。

そして僕のテナーサックス歴も10年を超えた。

「もう譜面だって、スラスラ読めますよ」

というのは大嘘で
バンドマスター(ビードレッセのともえさん)から新譜を渡されると
右往左往する姿は全く変わらない(トホホ)

話しは変わって「達明バンド」での練習の時のこと。

僕(ギターとヴォーカル)と下野くん(ベース)は
しっかりと個人練習をしてから参加する。

そうしないと、バンドの練習にならない。

方や寺島先生(ピアノ)と田中しほ(ヴァイオリン)は
ほぼ初見でスイスイ演奏する・・・。

「なんですぐに弾けるの〜」

下野くんがボヤく。

答えはカンタンだ。

子供の頃から気の遠くなるような時間をレッスンに
音楽に費やしてきたから。

それでやっと本の話しなのだが
ここんとこ夢中になって読んでいたこの小説は
ピアノコンクールを舞台とした青春小説だ。


まさに選ばれし天才ピアニストたちが
万単位の時間と人生のすべてを音楽に捧げてきて
コンクールに挑む姿が丁寧に丁寧に書かれている。

演奏をするシーンでは
まるで音楽が聞こえてくるようで手に汗を握る。

作者である恩田さんの
音楽を文字にする技術もまた
プロ中のプロだなと思わずにはいられない。

「音楽っていいな」

ミュージックの語源は「神々の技」だという。

クラッシックであれロックであれ
生演奏を聴くと確かに神業だなと思うことがある

そんな神業を聞くのではなく読むことで
思う存分楽しめるこの作品を自信を持っておススメします!

コンビニ人間

「つん読」という言葉のとおり
まだ読んでない本が僕の回りには山ほどある(トホホ)

会社の机にも本棚にも枕元にも
うず高く積まれている。

まったく自慢にもならないが
買わなきゃ読まないことも事実なので
悪いことばかりではない、かな・・・。

で、この本は薄いこともあり
4カ月ほど本と本の間に埋もれていた。

芥川賞受賞作品だ。

そうなのだ。

純文学系の作品だから
無意識に遠ざけていたのかもしれない。

ところがこの小説は、読み始めたら止まらない。

怒涛の一気読みをしただけでなく
読みながら何度も笑ってしまった。

笑わそうと思って書いてないと思う。

にもかかわらず
主人公が真面目に語れば語るほど笑えてくる。

「普通」とは何か?

本の帯に書いてある通り
読者は読みながらそれを考えずにはいられない。

そして「仕事」とは何か?

コンビニエンスストアで働く
主人公の「恵子さん」を通して考えることになる。

なんと作者の村田沙耶香さんは
作家でありながら今もコンビニでバイトをしているとのこと。

コンビニとコンビニの仕事に対する愛情が
行間からヒシヒシと伝わってくる。

ラストシーンに僕は痺れた!

そして

「おもしろいか、おもしろくないか」

ジャンルに関係なく
小説はその二種類しかないのだと改めて思ったのだった。

満州国演義 1〜9

ブラスのパートナー企業の社員のみなさんは
律儀にも僕のブログをチェックしてくれている人が多いらしい。

「僕に会った時は、遠慮なく感想を述べてくださいね!」

中には隠れ本好きがいるみたいで
僕がおススメする本を
これまた律儀にも読んでくれているらしい。

本好きにとって
おもしろい本を互いに共有できることは大きな喜びだ。

なので、たまには本好きに
挑戦状を叩き付けたい(笑)


「読めるもんなら、読んでみろ!」

長い物語だ。

僕は今年の1月から
月に一冊ずつ刊行されるこの文庫を
9月まで読み続けた。

風呂の中で(半身浴読書が日課ですから)

作者の船戸与一は
癌に侵されながらこの大河小説を書き続け
完結した直後に力尽きて亡くなった。

「昭和の歴史は、これを読むとわかる!」

だがしかし、小説である以上
史実に基づきながらも極上のエンターテイメントに仕上がっている。

歴史にタラレバはないが

「もしもあの時
日本のリーダーたちが道を間違えてなければ・・・」

そんな想像をしながら読むのも
歴史小説の醍醐味なのです。

陸王

夏は涼しい部屋で
好きな作家の小説を読むのが至福の時だ。

とはいえ、いつも社員にも家族にも
口を酸っぱくして言っている通り

「体を冷やしすぎては、アカンぞ」

なのだ。

冷たいものは美味しいに決まってるけど
僕は氷入りの飲み物は口にせず
どうしてもの時は口の中で温めてから飲む。

そしたら娘から

「そんな人は、パパとベッキーだけだわ」

と、馬鹿にされた・・・。

僕としては作家の五木寛之さんをマネたのだが
習慣にすると腸が喜んでいる気がする。

「みなさんも、ぜひ」

それではこの夏
至福の時を共に過ごしたおススメ本を書きたい。


半沢直樹シリーズで大ブレイクした
池井戸潤の最新刊はやっぱり面白い。

足袋を作り続けて100年の老舗企業が
新規事業に打って出る話し。

主人公の社長のセリフが今回も心に響く!

「ひとつの製品を作ること自体が
マラソンをチームで走るようなものなんだ」

この会社は足袋を作る技術を生かして
「陸王」という名のランニングシューズの開発を決意する。

ライバルは僕たちが知っている
巨大なグローバルスポーツメーカーだ。

敵の営業マンを描き方が

「さすがにそこまでアホじゃないでしょ」

と、突っ込みたくなるが
そこは小説の世界。

夏にしっかりと充電したビジネスマンがこれを読めば

「よ〜し、俺もやったるぞ!」

と、力が湧いてくる小説なのだ。


このシリーズはホントにホントにホントに面白い!

主人公である竜崎伸也が魅力的すぎるのだ。

「この日本に、竜崎のような考え方の公務員がいるのか?」

きっといると思うし、いると信じたい。

もう一冊は女流作家で一番好きな村山由佳の新作。

衝撃の展開に言葉を失ったまま
一気読みしてしまった。

夏のリゾート地で読めば
身も心もひんやりすること間違いなし。

三冊共に自信を持っておススメします!

不運と思うな

昨日は入院中の社員のお見舞いに行った。

何を持っていこうかなと考え
「花と本」にしようと決めた。

花は基本だとしても
本はやや重荷になる場合がある。

ましてや社長から渡されると
入院中なのに「読まなきゃ」
というプレッシャーになりかねない。

それでも持って行ったのは
約一か月間の入院中は
ベッドから動けないと聞いていたからだ。

痛みは全くないから
気を紛らわせるものは
やっぱり本が最適だと判断した。

本屋さんに入り
どんな本がいいかなと探した。

「これだ!」


ほぼすべての著書を読み
長年に渡って敬愛する伊集院静の大ヒットエッセイ第6弾だ。

タイトルが今の成瀬(入院中の社員)にピッタリなのだ。

「成瀬、不運と思うなよ。
もっと辛い人は世の中にゴマンといる。
今の苦しい時間が成瀬を成長させるぞ」

伊集院さんの言葉を借りて
病室で少しだけ社長らしいことを話す。

そして読み応えのある小説をあと二冊渡して
病室を後にした。

病室にはブラスの仲間からのお見舞いで
こんな品々がどっさりあって笑った。

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「いつも笑いを」だね〜。

好き嫌いと才能

「好きこそものの上手なれ」

は、人生の真実だと思う。

「才能とはなんぞや」

その答えは

「努力の娯楽化」だと

尊敬する経営学者は言った。

はた目で見ると
ものすごく努力しているように見えるが
本人は好きでやっているだけ。

そんな人には
その分野で勝てるはずがない。

スポーツ選手やミュージシャンは
その典型だと思う。

例えると

「ピアノを弾き始めると時間を忘れて
気が付くと飲まず食わずで夕方だった」

そんな小学生の女の子がいたとする。

一方お母さんから

「ピアノを練習しなさ〜い」

と、強制されている子がいる(たくさんいると思います)

いくら天性のセンスがあっても
後者は前者に勝てるはずがない。

すると

「それは趣味の世界では・・・?」

そんな疑問がわく。

「いやいや、仕事においてこそ
好き嫌いがものをいう」

そう書いてある本がこれだ。


この時期
就活で袋小路に入っているみなさんに
ぜひ読んでほしい一冊です!

娘の結婚

タイトルは「娘の結婚」だけど
ウチの娘二人に結婚式の予定はない。

二人とも20歳を超えているので
いつなんどきその日が来てもおかしくないけど。

アメリカ旅行は飛行機の中や待ち時間で
意外に本が読めた。

まずはタイトル買いをしたこの小説。


毎週結婚式を見ているのに
この本でも涙してしまった。

僕たち日本人の大半は
親に対して感情を言葉で表すのが苦手だ。

だからこそごく自然に
花嫁の手紙が披露宴のクライマックスになったのだろう。

「手紙に向かって、主役とゲストの感情を高めるには
どうするべきかを考えるんだぞ!」

プランナーと司会者に
僕は同じことを言い続けている。

ともすると忘れがちな司会者に
この本を一番読んで欲しいと願う。


大好きな歴史小説家の最新刊は初のミステリー。

1963年の横浜を舞台にした小説で
米軍基地があるこのエリアの戦後が
リアルに描かれている。

飛行機の中で読む本は
怒涛の一気読みができる本がいい。

旅のお供に最適な小説だと思う。

最後はちょっと前にブログでも紹介した
宮下奈都の最新ヒット作。


「羊と鋼の森は、何の例えなのか」

読めばすぐにわかる。

(読まなくてもわかった人は
林先生並みの博学だね)

「人はどこかで何かに
巡り会うべくして巡り会う」

ならばそれを逃してはいけない。

それはきっと
人と比較したりするものじゃなく
人に評価してもらう為のものでもなく
自分自身が決めること。

楽器を演奏する人と
学生時代にブラバンやオケに所属した人には
特に特に読んでほしいナ。

旅に出ると本が切れることが心配で
ついついスーツケースに沢山詰めてしまう。

非日常で読む感覚もまた
旅の醍醐味だと思うのです。

よろこびの歌

宮下奈都が今年の本屋大賞を獲得した
作者だということは知っていた。

新聞広告でなんとなく惹かれて
大賞作品を買おうかなと思っていたところ
新幹線に飛び乗る直前に
この文庫本が目に留まり手に取った。


女子高校生の物語だ。

主人公を中心とした
同じクラスにたまたま集まった少女たちの
青春成長小説だと思う。

当たり前だが
女子高生の気持ちを僕がわかるはずもない。

男子にとっては想像の世界でしかない
女子高が舞台となっているし。

イメージをするとすれば
とても騒がしくて少し陰険な感じだ。

だがこの本に登場する子たちは
静かに自分自身の境遇を憂いている。

「そうだな〜、きっとそう考えてしまうよな」

高校生の心情を
作者は丁寧に書き込んでゆく。

僕が読んでも共感するのだから
同じ時代に生きる学生諸君が読んだのなら
なおのことだろう。

読みながら自分自身の青春時代を思い起こす。

「どうしてあんなに、かたくなだったのだろう」

「少しだけ素直になればいいのに」

わかっていてもできないのが
10代の中盤なのだとも思う。

それでもそれを少しずつ自分を変えて
成長していくのはなぜか。

登場人物たちは「合唱」に出会った。

きっと出会いがすべてを変えていくのだ。

さて、女子高生たちがどんな音楽を奏でるのか。

それは読んで感じてほしい。

きっと行間から歌声が聞こえてくる。

僕は久しぶりに本を読んで涙した。

僕のリーダーシップの原点が
この本の主人公のように
中学三年の時に合唱コンクールの指揮者を
友達の推薦により任されたことだから。

今も時折その時のことを思い起こして
自分自信を確認することがあるほど
自分の出発点になっている。

苦い青春を経験したのなら
きっとこの本は心に刺さる。

音楽に打ち込んだ日々があるなら
さらに心に深く残ると思う。

連作短編集なので
毎日一話ずつ読み進むのもいいね。

河合達明
自信を持ってすすめます!!


PS.
昨日から三日間に渡り
新卒最終面接が始まった。

今日はこんなブログを書こうと
机にこの本を置いていた。

そしたら朝から合唱や吹奏楽や管弦楽に打ち込んだ経験のある
就活生が続々と僕の目の前に現れた。

「不思議な縁だな〜」

思わずこの本をすすめたのだった。

ぜひ、読んで。

ジョコビッチの生まれかわる食事

我らが錦織圭の前に立ちはだかる
高く厚い壁がノバク・ジョコビッチ選手。

テニス史上最高のプレーヤーといわれる
フェデラーやナダルがまだまだ全盛期の時代に
割って入ってきてトップに上り詰めた。

さらにここ数年は
信じられない快進撃が続いている。

そんなジョコビッチも
苦しい時代があった。

いかにして乗り越えたかの答えが
この本にはある。



「食事を変えることで、僕はナンバーワンになった」

と、ジョコビッチは断言している。

「練習の質も量もコーチ陣もそのままなのに
トップの座を獲得できたのは
食事を劇的に変えたからだ」

そんな序文から始まるこの本は
どんな食べ物をどのように食べるべきかを
僕たちに教えてくれる。

トップアスリートと僕らを並列に考えもしょうがないし
すべてを真似する必要はない。

しかし、より良い人生を求めるならば
ここに書かれていることを試す価値は十分にある。

テニスが好きで
10年間テニススクールに通っている僕は
読んだ次の日から実践している(笑)

「次の週からテニスが劇的に上達しました!」

というのは大嘘だけど
体に変化があることは確かだ。

「食べ物が体をつくる」

当たり前の事実を僕たちは忘れがちだ。

特に若いうちは
何を食べても平気だから。

「ビシビシ指導しますよ!」

ジャンクフードばかり食べている
ウチの社員たちには
今まで以上に注意しようと誓ったのだった。

赤めだか

旅に行く時は本が切れないように
多めに持っていく。

しかしここのところ
キンドル(電子書籍)だと軽くて済むので頼り切っていた。

ところが飛行機の中で
キンドルを開けてみると「ガ〜ン」

なぜか放電していて、電源切れ・・・。

それでも成田空港でたまたま手にした
この本が救ってくれた。

8年も前にヒットした
人気の落語家が書いたエッセイが文庫になったのだ。

二宮くん主演でドラマにもなったので
すでに読んだ人も多いと思う。

著者である立川談春の落語を聞いたことはもちろんない。

恥ずかしながら落語を聞いたのは
元社員である吉田ノリのたどたどしい素人落語だけだ(笑)

それはともかく立川談春は
1966年生まれなので僕と同い年。

思春期は「漫才ブーム」一色で
普通なら漫才師を目指す時代だ。

それがどうして落語家を目指したか。

そこから物語は始まる。

中学生の談春は
天才立川談志の落語を聞き魅了されてしまう。

そして即座に弟子になろうと決める。

17歳で高校を中退して
ホントに弟子入りしてしまうのだ。

師匠の立川談志が
弟子入りを許すセリフが実にいい。

「弟子にしてやるよ、よし、いい了見だ。
昔はな、新聞配達少年なんて、みんな貧乏人だったんだ。
恥ずかしいから隠したもんだ。
今はいい時代だから美談になる。
十七で家を出て新聞配達をしながら修行したなんて
売れた後で自慢になるぞ。
黒柳徹子が涙ぐんで、ご苦労なさったのねェ、なんてお前に聞くぞ」

「よしんば売れなかったとしてもだ。
縄のれんで一杯飲っている時のグチのネタになる。
心配するな。どっちを選ぶかはお前次第だ」

一生懸命にやれなんて、口が裂けても言わない。

人生思い通りにいかないけど
どう転んだってそれほど悪いことはないと教えているのだ。

もう、飛行機の中で怒涛の一気読みだ。

泣いて笑って、また泣いて。

メチャクチャ面白い!

これはエッセイというより
自伝的青春小説だと思う。

バブル全盛期に理不尽な修行に耐えて
談春は真打にまで上り詰める。

「俺なら、とっくに逃げ出したな・・・」

修業時代の話はまさに
笑うに笑えないコントの世界だ。

そして今更ながら
これは絶対に落語を聞かねばと思ったのだった。

みなさんも、ぜひ。

川淵キャプテンにゴルフを習う

ゴルフ関連の本を読むのだ好きだ。

レッスン書から有名作家のエッセイに至るまで
これだけ一つのスポーツにまつわる書籍が出版されているのは
数多いスポーツの中でゴルフがダントツにトップだと思う。

しかも、日本だけでなく世界中で。

「なぜそんなに、大の男をひきつけるのか?」

スポーツなので
本を読んだだけで上手になるはずがない。

しかし、練習をしたりコースに出たりするだけでは
分からないことが多すぎるのだ。

僕はこの本に一番影響を受けて
できないながらもこうありたいと思い
ゴルフを続けてきた(途中何度も休憩しましたが)


「ゴルフで一番大切なのはマナー」

それは間違いないのだがマナーに縛られすぎると
せっかくのゴルフが息苦しくなることも確かだと
50歳を前にして思うようになった。

試合に出るわけでもないし
週に何度もゴルフをできるわけじゃない。

基本的に多くのゴルファーは
仲間と楽しむためにゴルフをしているのだ。

では、どう振る舞ったらいいのか。

とうとうこの本に出会い
これからのゴルフ人生の指針を得た気持ちだ。


「ノンフィクション作家である著者が
あの川淵キャプテン(Jリーグの初代チェアマン)にゴルフを習う」

そんな本だ。

例えば今まで
僕はゴルフのルールにのっとり

「コースではアドバイス禁止」

を、基本的に守ってきた。

(失礼な発言は多々しますが・・・)

でも川淵キャプテンは

「ゴルフは一緒にやる人を応援するスポーツ」

と、力説している。

「だって、一緒にやっている人がナイスショットだったり
パーを取ったりする時の笑顔ほど、気持ちのいいものはないでしょ」

素晴らしい!

川淵キャプテンは78歳にして
エイジシュート(年齢より下のスコアで回ること)を達成している。

(エイジシュートはゴルファーの夢です!)

「僕もあと30年かけて、少しでも近づきたい」

そう思ったのだった。

さらに
「ゴルフも仕事も上達するレッスン」
と、本の表紙に書かれているがその通り。

長らく会社員として
接待ゴルフも多く経験してきた川淵キャプテンの考え方は明快だ。

大いに仕事にも通じると思う。

ゴルファーならぜひ!

鯨分限

年末が近づいてきたので

「この本を読んで!」

と、心から思う本を紹介したい。


「どんな困難が待ち受けていようと嫌な仕事だろうと
上に立つものは逃げてはいけない。
それを伝えたかった」(by作者の伊藤潤)

主人公は紀伊半島の太地という村にあった
古式捕鯨集団「鯨組」の最後の棟梁(とうりょう)太地覚悟(かくご)

名前がいい。

史実に基づいて書かれた小説だから
実在の人物だ。

時は幕末から明治への激動期。

幼い頃から「鯨組」のリーダーになることを
宿命づけられていた覚悟に
「これでもか」と試練の数々が襲い掛かる。

もう、不運の連続だ。

それに真正面から立ち向かう姿に心打たれる。

「がんばれ、覚悟」

そう呟きながら読み進む。

それでも時代の荒波は
容赦なく覚悟とその仲間を飲み込んでいく。

「僕らはこんないい時代に生きていて
少しの不運に嘆いているとしたら
それは大きな間違いだ」

そう思わずにはいられない。

作者の伊藤潤さんは
長らく外資企業のビジネスマンとしてバリバリ働いていた。

そして42歳で初めて歴史小説を書いたという。

「ビジネスに通じるな〜」

と、強く感じるのは
この異色の経歴があるからだと思う。

そしてできれば「日本伝統の古式捕鯨」について
前編ともいうべきこの本を読んでから
「鯨分限」に挑んでほしい。

これを読めば
一部の海外メディアから批判を浴び続けている
日本の捕鯨についての歴史を学ぶことができる。

漁業の一部である「古式捕鯨」は
なにしろ凄まじい仕事だ。

その様子をこれでもかと描写している。

まるで自分が捕鯨舟に乗ったかのような気持ちを味わえる。

僕は想像での船酔いと
壮絶な鯨との戦いに気持ち悪くなった・・・。

そして考えさせられる。

お正月休みに、この二冊をぜひ。

下町ロケット2 ガウディ計画

日曜日のドラマが高視聴率を記録しているらしい
下町ロケット。

その続編がこの本だ。

前作の感動が再び味わえるのか。

またも、主人公の佃社長になったかのごとく
中小企業経営者の悲哀を感じることができるのか。


「ま、池井戸さんの作品は沢山読んだし
あれから押しも押されぬベストセラー作家になったし
下町2は読まなくていいかな」

と、思っていた。

が、チラッと読むとすぐに物語の世界に入り込み
怒涛の一気読みだ。

今回の主人公は
佃製作所の佃社長ではない。

中小企業でありながら
世界的に通用する技術を持つ
佃製作所に勤務する無名のエンジニアたちだ。

大企業の論理や
既得権益の壁に立ちふさがれ
ガウディ計画は危機に陥る。

水戸黄門のごとく、わかってはいる。

最後は佃製作所が生き残ることは。

それでも物語に入り込むと

「いい加減にしろ〜」

と、汚い手を使うライバルに
本を読みながら本に言ってしまう(アホです)

そして本の中で佃社長が呟くセリフに熱くなる。

「ビジネスのベースは信頼関係だ」

「自分のやりたいことさえやっていれば
人生ってのは、そんなに悪いもんじゃない」

池井戸潤さんのビジネス小説は
何を読んでもやはり一級品の味わいがある。

GO WILD 野生の体を取り戻せ

いろいろあって一昨日から東京にいる。

「名古屋にいる時と東京にいる時で
大幅に違う点は何か」

と聞かれたら
そりゃいろいろあるにはあるが
「よく歩くこと」と答えたい。

出張できている僕のような人だけではなく
東京で仕事をする人たちは本当によく歩く!

歩くスピードも速いし
歩くことを苦にしていないとも思う。

地下鉄の乗り継ぎなどは
名古屋人の感覚だとありえん距離を
ホームからホームへと一直線に歩いていく。

「そうか、人の多さだけじゃなく
東京がエネルギッシュなのは、人がガンガン歩くからだ」

なんだか大発見をした気分だ(大げさ)

これには、ここのところ読んだ本の影響がある。






本社の朝礼ですぐに発表したほど
腹に落ちたことがある。

「みなさん、座り続けることは人にとって不自然で
ものすごく体に悪いです。

僕も自分で試してみて(立って仕事をブログに書きました
かなり快適なのでみなさんもぜひマネしてください。

まずは本社にスタンディングデスクを導入しましょう!!」

さらに

「普通に座ってする会議もいいけど
たまにはウォーキングミーティングといって
近くの公園を歩きながらミーティングをやってみましょう!」

そんな提案をした。

学者によっては

「あえて比較すると
タバコを吸うよりもずっと座っている方が遥かに体に悪いです」

という研究結果もあると本に書いてある。

ブラスはプランナーチームとシェフチームは
仕事中よく歩くから大丈夫。

問題は本社チームだ。

「少しずつ、立っている時間を増やそう!!」

新・観光立国論

今日は三重方面に車で向かったのだが
やはり高速道路は大渋滞・・・。

「そうだ、世間では大型連休中なのだ」

土日に働くサービス業人生が長いので
観光シーズンの情報についつい疎くなってしまう。

観光と言えば
この本を紹介しなければならない。


この本を多くの日本人が読めば
間違いなく日本のGDP(国内総生産)はドンと上がるだろう。

「そうだったのか、僕たちは日本の観光について
完全に勘違いしているナ」

数字と事実から導き出される結論に
目から鱗がポロポロ落ちた。

日本人にとっては耳が痛い指摘ばかりだが
著者であるデービッド・アトキンソンさんは25年も日本に住み
日本を愛していることが文章から伝わってくる。
 
なので素直に受け入れられるのだ。

「よ〜し、日本の観光は俺が伸ばしてやる!」

この本を読んで
起業を決意する若者がきっと現れるだろう。

もちろん若者でなくてもいい。

なにせ数少ない成長産業であることは間違いないのだから。

当然僕もサービス業に関わるものとして
この先何らかのチャレンジをしなければならない。

その為にも
もっともっとチカラをつけなくては!!

道端の経営学

訳あって休みを取り、温泉宿にいる。

パソコンをなるべく開かないようにしているので
何もすることがない。

しっかり眠って体調は回復しているが
花粉が絶頂期を迎えていて
1日に1ℓほど鼻水を流し続けている(マジで)

とすると、本を読む以外に道はない。

今回は2冊の本を持ってきた。

一冊は5年に一度は読み返す
僕の最も好きな小説


50歳を間近に控えた今だからこそ
また新たな感動があった。

もう一冊はやっぱりビジネス書。


ビジネスに関する本を買う時
どうしても誰もが知っている有名企業を題材とした本か
スター経営者の書いた本を選びがちだ。

この本はタイトル通り
世に全く知れていないが
それぞれの地域でそれぞれの戦略を駆使しながら
生き残っている会社を取り上げた本だ。

著者は3人のアメリカの経済学者。

3人はまとまった休みを利用して
面白そうな会社やお店を探す旅に出る。

その旅先で出会った会社を
次々に紹介するのがこの本だ。

「この会社、おもしろいな〜」

そして経済学者である著者が

「この会社、なかなかいいでしょ〜」

的なノリで
面白おかしく書いていることが
この本の魅力だと思う。

そして監訳は、僕が敬愛している「楠木建教授」

なのでさらに面白くなるのだ!

もう少しで全部読みきりです。

エキストラ・イニングス

そろそろ野球のシーズンが始まる。

スポーツ観戦オタクであり
野球が大好きにもかかわらず

「日本のプロ野球は見ない」

と決めて、十数年が過ぎた。

(そのことを話し始めると、2時間は飲めます)

しかし、今年はとうとうその禁を破ろうと思っている。

(スイマセン、興味のない人にはどうでもいい話しです)

「広島球場(今はマツダスタジアムかな)」で
野球を見たくてしょうがないからだ。

もちろんメジャーから帰ってきた
黒田の投球を見れたとしたら最高だ。

そんなことを考えていたら
本屋さんでこの新刊を発見した!


松井がヤンキースで活躍している時
「松井の打席」を見つつ朝の準備をするのが楽しみだった。

(ヤンキースのホームゲームはちょうどいい時間に始まるのです)

僕の子供の頃のアイドルは王選手で
大人になってからは松井選手だ。

ちょっと前に「日経新聞」で連載されていた
王選手の「私の履歴書」を読んだばかりなので
二人には多くの共通点があることがわかりうれしくなった!

共通点はやはり「考え方」だと思う。

プロスポーツ選手という最も才能が必要な仕事でも
「仕事へ取り組む姿勢」が成功するか否かを分ける。

野球が好きならばこの本は二重三重に楽しめる。

そしてメジャーリーグの奥深さも、改めて知ることができる。

僕はメジャーリーグで不思議だと思っていたことが
この本を読んで腹に落ちた。

そうか!

「すべてはチームの勝利の為にプレーする」

という野球の本質を意識して行動しているからだ。

日米両方で活躍した
松井選手ならではのエピソード満載のこの本を
自信を持っておススメします!

名刺ゲーム

お正月に読んで
グサッと心に刺さった本がコレ。


書いたのは「鈴木おさむ」さん。

知っていると思うけど、かなり有名な放送作家さんだ。

それにしてもこの本は、面白くも恐ろしい。

「名刺ゲーム」というタイトルの上に
「名死ゲーム」と赤字で刻印されているとおりだ。

読み進むうちに

「これは良質のビジネス書としても成立しているな」

と、思えてくるほどビジネスマンに多くの示唆がある。

特に僕には
心に刺さる部分が大いにあった。

それは「名刺をおざなりに扱っている自分に気づくから」

主人公は「独裁的なテレビプロデューサー」

自分の腹一つで、人を動かすことのできる人物だ。

番組に使ってもらうために
様々な人たちが彼の元へお願いに来る。

毎日何十枚も名刺を受取れば
ひとり一人を覚えているはずがない。

でも名刺を差し出す人の中には
人生をかけてお願いに来た人たちもいる。

さて「名刺ゲーム」とは一体どんなゲームなのか。

ラストまで一気に読んで

「この人の為に、僕はなにをしたらいいのだろうか」

今年は名刺を受取ったら
必ず考えようと思ったのだった。

本日は大安なり

数年前にNHKでドラマ化された小説
「本日は大安なり」を遅まきながら読む。


作者の辻村深月さんの本は
このブログでも紹介したことがある。

(「島はぼくらと」は面白かった〜)

本屋さんに行けば
新刊が平積みされていて
直木賞も取っている人気作家が辻村深月さんだ。

それでも「結婚式場を舞台とした小説」ならば
どうしても読みながらツッコミを入れたくなる。

ドラマ化された時はテレビに向かって

「いい加減にしろ〜」と

やや大きめの声で何度も呟いた末

「だったらもう、見ないで」

と、娘に怒られた・・・。

そして文庫化されたのを機に読んだこの本。

ブツブツ言いながらもスイスイ読み進み
最後は

「さすがだ!辻村さん」

結婚式業界に対する鋭い洞察に
喝采を贈りたくなった!

主人公であるウェディングプランナー山井多香子の

「どんなお客様であろうと私の担当であれば
全力を尽くしてベスト結婚式にしてみせる」

その言葉に!

だがこの式場
担当プランナーは結婚式当日に立ち会わないシステム。

「それは、おかしい」

と、書いてくれたことも
僕はうれしかった。

主人公が抱える矛盾もそこに行きつくと思う。

「ウェディングプランナーがウェディングプランナーらしい仕事をする」

僕はそれが最も大事なことの一つだと思い
ブラスを経営している。

結婚式業界に携わるみなさんに
自信を持っておススメします!

PS.
昨日は平湯から豊橋の夏祭りに直行!

IMG_9661

アルダンらしい夏祭りだった!

こうしてTシャツまで作って参加してくださるお客様に感謝!

DSC01105

ブラス一号店であるルージュブランが
一番ピンチに陥った時助けてくれた
美人料理人「たまちゃん」とも奇跡的に再会!

10年ぶりにお礼を言えてよかった。

IMG_9648

これまた一号店創業時に結婚式を挙げてくださった
当時の名物カップルともここで再会!

「豊橋に引っ越したんで、ここの夏祭りに参加しました」

これはうれしい!

お近くのブラス会場での参加もアリだと教えてもらったのだった。

可愛いベイビー

3年前に読んでブログに書いた
ウェディングベル」の続編が出たので
北海道旅行中に読んだ。


さて38歳の主人公晶子は
14歳年下の児島君と結ばれるのか?

結婚式を題材とした小説ということ
そして本の装丁が気に入って読み始めたこのシリーズ。

しかしこの完結編で思った。

「これは、働く女性を応援する物語だ」と。

ウチの結婚後の社員を見ていて思う。

結婚、出産を乗り越え仕事をし続けることは
並大抵のことではないということ。

むしろ「懸命に働くだけ」の男性のほうが
遥かにシンプルなのだ。

「子供を育てながら働く女性をバックアップする」のは
日本の国にとっても大事なこと。

ブラスも

「子供を育てるウェディングプランナー」や

「プランナーを経て、本社で活躍する社員」を

生み続けるためにも
成長しなくてはならないのだ。


PS.
北海道最終日は
早起きして「乗馬体験」へ。

060

「一生一度の体験をする」

これが旅の一つのテーマ。

033

「海沿いを馬に乗って駆ける」

これはなかなかできないでしょ!

067

「そんなに早く駆けたら危ないです!」

インストラクターさんに言われながらも
すぐに走りたがる僕たちだった(笑)

ひとひらの雪

作家の渡辺淳一さんが亡くなった。

ヤフーニュースを読み
しばらく呆然となる。

「もう、なべ淳さんの新刊を読むことはないのだ・・・」

そう思うと
さらに悲しさが募る。

若いころから
ほとんどの著作を読んできた。

エッセイを読めば

「こんな風に生きられたらナ」

と、男なら思うはずだ。

お年を召されてからのエッセイなら

「こんなジジイになりたいぞ!」

と、思わずにはいられない。

元々お医者さんなので
医療を題材とした小説も多いが
何と言っても恋愛小説だ。

(代表作はやっぱり「失楽園」と「愛の流刑地」なのでしょうか)

男女のことしか書いてないのに
上下巻の分厚い本が全く飽きない。

「よし、感謝の気持ちを込めて読み返そう」

なにがいいかな。

映画にもなった
中期の名作「ひとひらの雪」にしよう。



みなさんもぜひ!

仕事に効く 教養としての「世界史」

2012年の2月にEOの例会
初めてライフネット生命の出口社長(現在は会長です)に会った。

講演を聞いて、すぐにファンになった。

還暦を越えてから起業した方なので
この時すでに63歳。

それ以来すべての著書を読み
書評やらブログやらもチェックしている。

会いたいと思うと会えるもので
2012年の8月にはEO大阪の例会で再び会うことができた。

ブログを読み返すと
まるでアイドルに会ったかのように興奮している自分に笑える。

そして最大の幸運は2013年の5月に
「「5000年史〜人間とその社会をよりよく理解するために〜」
というタイトルで東京大阪に続き
名古屋でも「歴史勉強会」が始まったこと!

(この時も興奮気味でブログを書いてます

そうなのだ。

歴史関連の本を多く読むようになったのは
出口会長の影響なのだ。

そんな中
「いつかこんな本を書いてくださらないかな」
とクラスメイトたちが話していた本がこれだ。



「ここに書いたことは、この半世紀の間に
人の話を聴き本読み旅をして
自分で咀嚼して腹落ちしたことがすべてです」

と、前書きに書いてある。

「人間はみな「ちょぼちょぼ」です」

と、出口さんはいつも書いている。

「人間には、とくに賢い人も、とくにアホな人もいない。」ということだ。

しかしこんな本を書く経営者がいるのだから
とても「ちょぼちょぼ」とは思えない。

自分の「教養」のなさが恥ずかしい。

が、嘆いていても始まらない。

英語を筆頭とした
勉強については挫折しっぱなしの僕ではあるが
歴史を学ぶことはずっと続けられると思う。

なのでこの本はマイバイブルになりそうです!

ツ、イ、ラ、ク

「この小説、ブログに書きたいな〜」

と、思っても
ためらって書かないジャンルは「恋愛小説」

村山由佳さんという小説家は特に好きなのだが
数々の作品を見送ってきた。

というより、一応社長ブログなので
書く自信がないのだろう・・・。

しかし、この本は書きておきたい。


姫野カオルコさんという名前と数々の小説は知っていた。

が、一度も本屋さんで手に取ることも迷うこともなく
今日まで来てしまったことを悔やむ。

この本にしても
先日直木賞を取った「昭和の犬」を読もうと思ったのだが
「ま、これでいいか」と思い
駅の小さな本屋さんで買った。

一気読みはできなかった。

「女の世界は、小学生から大変だな」

「おおっ、こんなことまで考えているのか」

登場人物たちを
子供のころから描いているので
恋愛小説でありながら、なかなか恋愛は始まらない。

ところが、ところが・・・。

まさかの展開が待っていて
次第に物語に引き込まれていく。

そしてどんなに時間がかかっても
ラストまでたどり着いてほしい。

「まいりました」

このラストシーンを5回は読み返したほど
このシーンが好きだ。

胸が締め付けられる
このシーンを書くために
その前の500ページがある。

コツコツ読んで
最後に「ツ、イ、ラ、ク」しましょう!
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