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成瀬は天下を取りにいく

家に帰ってすることは何かと問われると

「まぁ、好きな小説を読むことですかね」

と、答える。

特にどっぷりと物語の世界に入っていて
あと1時間で読み切れるとわかっている日は
家で読む時間が待ち遠しい。

なのでネットフリックスやアマゾンプライム等で
面白そうであり、回りからすすめられてもいる
ドラマシリーズを見る時間は到底ない。

話題のドラマの話ができる羨ましさはあるが
それはキッパリと捨てるしかないのだ。

僕と同じような志向の小説好きはなかなかいないから
寂しくもあるのでこれは読んで欲しいと思う本を
今日は書こうと思う。


なぜなら最近読んだ小説で
驚きの共通項を発見したからだ。

まずは久しぶりに手に取った
ミステリーの巨匠である東野圭吾先生の作品。

東野ミステリーに極上の味わいがあることは
読む前からわかっている。

これが僕にとって面白さ倍増だった理由は
物語が展開する上でキーとなる重要な土地がなんと
愛知県の三河安城と常滑だったからだ。

「ともにウチの結婚式場がありますからね!」

自分にとってのゆかりの地が細かく描かれていると
そりゃうれしい。


そしてタロとジロ(愛犬)を飼って以来
定期的に読みたくなる犬にまつわる物語を読むと
なんと三重の四日市と鈴鹿が舞台だった。

「これも共にウチの会場アリです」

犬の物語には別れがつきものだけど
高校生が主人公だということもあり
さわやかな涙が流れること間違いなしだ。

「滋賀、滋賀、滋賀」

これほどまでに滋賀県を推す小説が
かつてあっただろうか。

滋賀はウチの最新の店舗である
「オリーブアリア」がある県。

主人公の成瀬あかりは故郷の滋賀で
子供のころから独自の考え方を育み
ユニークな活動でファンを増やしていく!

「成瀬、やるな〜」

この行動たるや、痛快で面白い!

これからも続いていくであろう
「成瀬あかりシリーズ」を読めると思うとワクワクする。

それぞれの場所で働いているウチの社員は
ぜひとも一読してほしい。

「小説ファンのお客様と、話が弾みますよ!」

俺たちの箱根駅伝

初めてゴルフを同じ組でプレーする方に
ほぼ毎回言われることがある。

「河合さんは、長距離ランナーですよね」

「えっ、スポーツは大好きですけど
長距離はかなり嫌いです・・・」

最近は痩せているというより
58歳にしてガリガリな体形な上に
ゴルフではカートに乗らずに歩き続けるからか
毎日のように走っていると勘違いされる。

たぶん同年代のオッサンと長距離走をしたら
負ける気はしないけど走りたくはない。

家の近くの名城公園に犬の散歩に行くと
楽しそうに走っているランナーが沢山いて

「人の好き嫌いって、不思議だな〜」

と、毎回思う。

だって長く走るのって苦しいのに
それを求めて走り続ける人があんなにもいるのだから。

そんな僕ではあるが、マラソンのテレビ観戦は好きだ。

その中でもお正月の「箱根駅伝」を
1月2日の往路も3日の復路もおせちをつまみながら
自宅と妻の実家で数年前からずっと見続けている。

100年の歴史がある「箱根駅伝」は
実に不思議な競技だとずっと思っていた。

「東京の都心から箱根に向かって
ひとり約20キロを5人で走り、翌日も同じように
5人でタスキをつないで帰って来るんですよ」

箱根に行ったことがあるならわかると思うけど
あの登り坂を走るなんて尋常じゃない。

しかも真冬だから、風が吹き、雪が舞う年もある。

沿道にはランナーを応援するファンが
延々と声援を送り続けている。

「何らかの方法でひとり1000円払ってもらったら
トンデモナイ収入になるな」

さらにその様子を民放が2日間に渡って
ずっとテレビで生中継するのだ!

言ってしまえば

「たかだか関東の大学の陸上部の
駅伝という名の長距離リレーですよ」

それがこれほどまでに人々をひきつけるのはなぜか。

全国の若き長距離ランナーが箱根に憧れ
目指すのはなぜか。

この小説を読んでわかった!

 
週刊文春で連載していた時から
出版を楽しみにしていた。

「大好きな池井戸潤が、箱根をどう描くのか」

読み始めたらもう夢中になり
上下巻を怒涛の一気読みだ。


「涙が止まらない」とか「泣けて泣けて」
などと宣伝をする小説は好きじゃない。

それでも、ふいに読んでいて泣けてくる描写がある
小説は心に残る。

まさかここまで箱根駅伝の1区間1区間を克明に書き切り
その一つひとつの小さなドラマに泣かされるとは。

「俺たちの箱根駅伝」は
スポーツを題材にした小説の金字塔だと思う。

僕が宣伝しなくともベストセラー間違いなしだけど
多くの人に読んで欲しいです。

八月の御所グラウンド&ともぐい

後悔だらけの青春を送ったからか
58歳の今も青春小説が好きだ。

たくさん読んできたので
「これは面白いに違いない」
と、表紙を見ればピンとくるものがある。


これは直木賞を受賞した作品だから
いい小説なのは保証されているのだけど
それでも予想以上の面白さだった。

京都を舞台にした中編がふたつ入っていて
表題作は野球の話しで、もう一つは駅伝の話し。

「そんなことは、あり得んでしょ」

と、思うなかれ。

ファンタジーは本や映画の中だけじゃなく
僕らの回りでもきっと起きているはず。

結婚式屋の僕たちは
小さな奇跡が結婚式で実際に起きることを
身をもって知っているのだから。

そしてもう一度、真剣に草野球をやりたくなった。


自信を持ってすすめるもう一冊はこれ。


ともぐいは共食いだから
タイトルからして普段は決して買わない小説だ。

ホラー映画も怖い小説も好きじゃないからね。

だけど直木賞作品は買うと決めているから
自分の好みはさておき読み始めると
すぐに物語の世界に引きずり込まれた。

主人公の熊爪(くまづめ)は北海道の山にひとりで住み
鉄砲で狩りをして暮らしている。

獲物を仕留めて、自分で解体して食べる。

そして「赤毛」という最強の熊と死闘を繰り広げる。

その戦いの描写は凄まじく、血の匂いがするようだ。

そんな激しい小説なのだが
熊爪と共に住む名前すらない犬の存在が愛おしい。

「人は生きるために、他の生き物を殺さなければならない」

当たり前でいて忘れがちなことを
これでもかと突き付けられると考えざる得ない。

ラストの数行で救われることを保証しますから
次に読む本を迷っているならこの二冊です!

野球の経済学

おススメの本のことを書こうを思いつつ
随分時がたってしまった。

まずは若いビジネスマン向けのビジネス書を。

 「決算書を読もう」

そんな風潮があるけど数字だけ学んでも
ビジネスの全体像が見えなければ
数字も頭に入ってこない。

ならば自分が好きで興味がある業界なら
より頭に入るというもの。

僕はスポーツ観戦が好きで
プロスポーツの経営について深く知りたいから
この手の本をちょくちょく読んでいる。

この本で一番おもしろくて学べるのは
第6章の「NPBとMLBの違い」

「なんですか、NPBって・・・?」

すぐにわかった人は野球ファンに違いない。

答えは
「日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグ」
のこと。

今から30年前。

1995年の段階ではNPBとMLBの市場規模に
それほど差がなかった。

ところが現在。

メジャーリーグの規模は日本のプロ野球の
10倍にまで発展したのだ。

「だから大谷選手の年棒は、あれだけ高いんですよ!」

親しみのある野球で経済学を学べる
いい本なのだ。


「一気に八回読んだ」松本人志

という帯は、冗談に違いないが
吉本興業の会長が赤裸々に書いたエッセイ。

著者の大崎さんは吉本に新卒で入り
ダウンタウンを世に送り出し
吉本の社長にまでなった面白い人。

この春、社会人デビューをして
ちょっと疲れたみなさんに一押しの本なのだ。


最後は僕の一番好きな小説部門から
「君のクイズ」を推す。

「深い、深いな〜クイズって」

一気に読めて、最後に驚く。

確かにどんなクイズよりも
この謎はおもしろいのだ。


PS.


ブラスは女性が多い会社なので
女子社員と本の話しになれば

「女流作家の小説を読むといいよ」

と、アドバイスをしている。

中でも一押しは山田詠美。

娘の名前が詠美だから
そのころからファンだったことがわかるでしょ。

この本だけ読んでもいいけど
出来れば詠美さんの過去の名作を一つ二つ読んでから
これを読むとさらに深まる。

「美しい日本語だな〜」

と、いつも思うのです。

六人の嘘つきな大学生

本屋に足を運ぶことが年々減っている。

全国的に本屋さんが減っていることは悲しいけど
どうしてもネットで本をサクッと注文してしまう。

それでも定期的に本屋に行き
本棚を眺めることを大事にしたいし
何かしらの発見があるのも現場に行くからだ。

 
店員さんが自分自身で推薦する本の解説を
手書きで書いていて
熱烈に推している本は手に取りたくなるしね。

そんな感じで出会った小説がコレ。

「青春ミステリー」と本の帯に書いていあるけど
謎解きを楽しむ小説ではない。

六人の就活中の大学生が
就活生に大人気の会社にエントリーをし
難関を突破して最終選考に挑む。

そこで想像を超える事件が起きてしまうのだ。

「いやいや、そんなことあり得ないでしょ・・」

と思うか

「これに近いこと、あり得るな」

あっという間に物語に引き込まれる。

そして事件は後半から意外な展開をみせて
ラストは・・・。

作者の実体験か想像か
就活生の感情がリアルに書いてあり
新卒の採用活動を20年近くしている身として
参考になるというより、考えさせられた。

ブラスは新卒採用を始めて来年は20年目の年で
ありがたいことにウェディングプランナーを目指す
就活生には人気の会社に成長した。

「ブラスにどうしても入社したいのです」

まだ一店舗しか持たない新卒採用一年目に
その言葉を多くの就活生から聞いた時の驚きは
今も鮮明に覚えている。

「もう、全員入社してください!」

真剣にそう思ったのだが
そんな無責任なことができるはずがない。

それ以来、毎年沢山のエントリーがあることは
会社にとって名誉であり自慢でもあるが
勘違いをしてはいけないことも多々ある。

新卒採用に携わっているみなさんに
特におススメのこの小説。

ぜひとも年末年始に読んで
お正月明けに語り合いましょう。

PS.


僕の今年ナンバーワンのビジネス書はこれです!

汝、星のごとく

ITリテラシーが低いド中年の僕でさえ
ついついスマホを開いてしまう。

確かにチェックすべきラインやメッセンジャーが
あるにはあるけど、そうでない場合でもだ。

「こりゃ意識的に遠ざけないと、アカンな〜」

昭和の詩人は

「書を捨てよ、町へ出よう」と書いたが

今は「スマホを忘れ、本を読もう」だと思う。

若いブラス社員はひとり暮らしが多いから
これからの寒い時期は特にひとりの時間が増える。

だから暇つぶしの最強のツールである
スマホ中毒になったらダメなのだ。

なのでここのところ時を忘れて読みふけった
女流作家の小説を紹介したい。


直木賞受賞作なので本屋に行けば
ドッサリ平積みしてあるはず。

「短編集だから毎日一編ずつ読むべし!」

僕は風呂に入りながら半分読み
ベッドで残りを読む生活を五日連続で過ごした。

短編を読む楽しみを知らないとしたら
この機会にぜひ体験して欲しい!


ブラス女性社員はアイドル好きが多い。

ならばこの小説にハマらないはずがない!

この本を読んだら是非とも
アイドル誕生について語り合いたいところだ。

そしてもう一冊。

 
大傑作だと思う「流浪の月」の作者が
またも強烈な物語を書いた。

人生は選択の連続であり
人は二つの道を生きることはできない。

だとしたら、苦しくとも決めなければならないし
それは自分以外の人の見る目を気にすべきではない。

「わかっちゃいるけど、どうしてもね・・・」

主人公の勇気ある決断を読んだら

「わたしたちは、自らを生きるしかない」

と、思えるはず。

この愛の物語は特に特におススメです!

同志少女よ、敵を撃て

ときおり時代の少し先を行き
それが予言のように現実になる小説がある。

未来を書いた作品ではないし
これが作者のデビュー作なので

「なぜ、この物語を、この時代に書いたのか」

と、いろんなメディアが取り上げて
作者に取材をしている。


ちょっと前に本屋大賞を受賞したので
今は本屋さんに山積みになっているけど
この本の表紙の少女のイラストを見ると
あまり買う気にはならないし
タイトルが「同志少女よ、敵を撃て」だから
戦争を題材にした小説が好きな人以外は
手に取ることをためらうはずだ。

僕は長年信頼を寄せている書評家が
大推薦していたので発売当初に読んだ。

その後にロシアのウクライナ侵攻が起きた。

主人公はセラフィマ(少女)は
第二次大戦下のソ連軍の女性スナイパー。

女性だけの部隊でセラフィマは戦い続ける。

第二次世界大戦の中でも「独ソ戦」の悲惨さは
群を抜いていることを少しは知っていた。

が、読んでいて
ここまで凄まじい戦いであったことを初めて知る。

戦場でのスナイパーの戦いを克明に描き
僕たち読者を物語の世界へ引きずり込んでいく。

「スゴイ力量だな、この作者」

そして当たり前すぎる感想を誰もが抱くはずだ。

「絶対に、戦場へは行きたくない」と。

世界中で戦争映画がつくられて
戦争を題材とした本が山のようにあり
その悲惨さを伝え続けているのに
なぜにまだ戦争は起きるのか。

世界中の人々が沢山の本を読めるようにすることが
戦争を失くすためにできる小さな一歩だと
この本を読んで思いました。

みなさんも、ぜひ。

愛なき世界

2月はどうやら家で過ごす時間が増えそうだ。

コロナと寒い日が続くからね。

コロナに関しては書けば愚痴になるし
自分なりの意見はあるがどうにもならないから
耐え続けるしかない。

ひとりで家にいることが好きな人もいれば
あまり好きじゃない人もいる(当たり前)

人の好き嫌いはホントに不思議で
ある人には苦痛なことが
ある人には好きで好きでたまらないことがある。

わかりやすい例はマラソンだ。

最近はタロとジロ(愛犬です)の散歩で
名城公園によく行くのだが
大勢のランナーが気持ちよく走っている。

「みんな、走るのが好きなんだな」

長距離走が嫌いな僕にとっては
信じられない光景だ。

読書もそれに近いものがあるけど
本好きの僕にとっては
ひとりで過ごす時間に読書は一番のおススメだ。

なのでまずは人の好き嫌いの不思議さを
猛烈に感じつつも新しい世界を知ることができる
三浦しをん先生のこの小説を。



愛なき世界というタイトルながら
愛に満ち溢れている物語をゆっくりと楽しんで欲しい。

笑える場面が散りばめられてるしね。


「国宝」は昨年読んだ本の中で
強烈な印象が今なお残る
大好きな作家吉田修一の渾身の小説だ。

好きなことにのめりこむ人の狂気を
思う存分味わいつつ
歌舞伎の世界を知ることができる。



江戸を舞台にした時代小説。

「底惚れ」というタイトルだから
人が人に心底惚れた話し。

なのに途中から、江戸時代の江戸における
経営の話しに発展するから
こんな「戦略ストーリー」があるのかと
物語に引き込まれる。

そして思いがけないラストに
気持ちが晴れ晴れとする。


最後は経済の勉強をしたい人に
この本を強烈にすすめる。

「経済のことってよくわからないし
専門家の言ってることはもっとワケわからんでしょ」

そんな僕とあなたにピッタリな
やさしい経済の本なのだ。

スマホを意識的に遠ざけて
暖かい部屋でゆっくり本を読みましょう。

犬と歩けばワンダフル

昨年は愛犬タロとジロの話しを
「我が犬シリーズ」と題してよく書いた。

社員にも思いのほか犬好きが多くて

「次も楽しみにしてます」

と、言ってくれる。

ならばこの一年で
数多くの犬に関する本を読んだので
それを紹介せねばと思い立った。

まずはカリスマドッグトレーナーだと言われている
シーザーミラン先生のこの本。


「ミラン先生の言っていることは
よ〜くわかるんだけど、なかなかできないのよね」

15年前後しか生きられないのが犬の運命ならば
なんとか幸せな人生(犬生)にすべく
いろいろ工夫しようと思わせてくれる本だ。

次は小説。


この本を書いた
馳星周さんの小説を若い頃によく読んだ。

映画にもなった「不夜城」が有名だ。

ずっとノワールと言われる小説を書いていると思ったら
昨年「少年と犬」という作品で直木賞を獲ったから
それを知って驚いた。


調べるとバーニーズマウンテンドッグという
大きな犬を飼っていて
その犬の為に軽井沢に引っ越したという
筋金入りの愛犬家だった。

「これは読まずに死ねるか」と
馳さんの犬を題材にした小説やエッセイを
この一年で全部読んだ。

中でもこの「雨降る森の犬」が僕の一押し。

そして「馳星周氏、絶賛!」と
本の帯にデカデカと書いてある
これまた好きな作家である
北尾トロの「犬と歩けばワンダフル」を読む。

本はこうしてつながっていくことが楽しみであり
いい本にめぐり会う秘訣でもある。

 
「これは、ものすごく、面白い!」

猟犬猟師という人がいて
犬と共にこんなにも濃い暮らしをしているとは
知らなかった。

人と犬の理想的な関係がここにはあり
愛と信頼によって共に歩いていく姿に感動する。

犬は主人を一心に愛する生き物。

主人が喜ぶことをしようと
懸命に生きる姿はけなげで美しい。

まさに「犬と歩けばワンダフル!」なのだ。

ブルネロ・クチネリ

「ブルネロ・クチネリを知ってますか?」

ま、ほとんどの女性は知っていると思うけど
男性はあまり知らないかも。

エルメスやルイヴィトンなど
ハイブランドと呼ばれる高級ブティックで
カシミヤ製品が有名だ。

日本にも単独店が銀座や青山にあり
その店構えはとてもとても素敵だ。

お店のつくりにはその会社の思想が現れるので
前々からその存在が気になってはいた。

そしてブルネロのニットは色もデザインも良くて
ニット好きの僕としては一枚は欲しいなと思っていた。

が、シンプルなカーディガンでも
軽く10万円オーバーだから
半値以下でも素材とデザイン共に
十分に匹敵する製品を持つメーカーの
ニットを買っている。

なのに、なぜ
ブルネロは世界中で愛されるブランドになりえたのか。

1978年の創業だから
エルメスのように歴史を重ねたわけでもないし。

この本を読んで、それがもう腹に落ちまくった。

人間主義的経営

敬愛する楠木建教授が帯に書いている
言葉がわかりやすい。

「思想を紡いで服をつくる。
服に託して哲学を売る。完璧なスタイルがここにある」

ブルネロのウェブサイト開くとトップページは

人間主義的資本主義の私の考え

創業者であるブルネロ・クチネリさんの
長い文章が書いてある。

その中で
「労働は健康で平和な生活を送るためだけにある」
と、言い切っている。

価値ある手作りの製品をつくることに
社員は誇りを持っている。

お互いが信頼し合い、労働環境は美しい。

穏やかに生きていくための十分な所得がある。

もちろん会社は綺麗ごとを並べているだけでなく
ビジネスとしても大きな成果を上げている。

「ものスゴイ経営者がイタリアにいるんだ!」

僕はブルネロさんの足元にも及ばないが
経営の考え方が少しは似ていることを喜ぶとともに
まだまだ先は長いことを思い知る。

「今度東京に行ったら、ブルネロ製品を買おう」

と、僕が思うのだから
製品の良し悪しと共にその企業の思想や考え方に共感して
モノを買う時代が来ていると確信した。

それが若者を中心に世界中で起こっている。

転職の魔王様

一昨年あたりから
ウェディングプランナーの中途採用が増えた。

ウチが意識的に増やしたというより
同業他社で様々な経験を積んだ転職希望者が
ブラスの門を叩くようになったからだ。

そして学生時代にPJ(アルバイトスタッフ)として
ブラスウェディングを共につくってきたメンバーが
社会人経験を積んで帰ってくるという
これまたうれしい転職事例も重なった。

新卒から育てるという基本方針は変わらないけど
転職組が他社での様々な経験を注入してくれることが
ブラスの成長につながることがよくわかった。

それに僕自身も20代の後半に転職経験があるし。

それは二人目の子供が生まれる寸前だった。

「我ながらそんな時に、よく転職したな・・・」

と、しみじみ思い返してたら
生まれるからこそ転職を決意したんだった(笑)

何かの後押しがないと
思い切った決断はできないのが転職の一面だと思う。

そんな迷える社会人の後押しをする
転職エージェントで働く男性と女性のコンビが
この小説の主人公だ。


「転職の魔王様」という小説の題名からして
サラッと読み飛ばす類のお仕事小説と思ってしまう。

「本の表紙の絵も軽いしね〜」

ところが、ところが
経済新聞の書評に取り上げられるだけある
骨太の転職ストーリーが展開するのだ。

転職の魔王という異名を持つ上司とその部下は
キャリアアドバイザーという仕事をしている。

転職にまつわる仕事はいろいろあれど
この小説の舞台となっているエージェントは
転職希望者を募り、適切な会社に紹介し
就職が決まれば決まった会社から報酬を得る
というシステムの会社だ。

決まれば決まるほど会社の売り上げが上がり
アドバイザーの給料も上がる。

主人公は転職の魔王という異名を持つくらいだから
次々にお客様(転職希望者)を
それぞれが希望する会社に送り込み
見事に転職を決めてしまう。

と、おもいきや
そんな単純な話なら面白くもなんともない。

「新卒でせっかく苦労して入った会社なんだから」
などといった、転職を否定する空気が
未だに蔓延していることは大きな問題だと気づく。

会社がイヤなら気軽にホイホイ転職をしたらいい
ということではないけど
精神を痛めるほどの苦痛をパワハラ上司から
受けているのに「石の上にも三年」はない。

いろんな意味でダメな会社に退場してもらうには
一番ダメさを分かっているそこの社員が
経営者にノーを突きつけ退社することが一番なのだ。

「いい会社に入りましょう!」

おもしろおかしく読み進めながらも
大いに学べるこの小説は若き社会人に特におススメです!

いとまの雪 新説忠臣蔵 ひとりの家老の生涯

ゴールデンウィーク直前で
結婚式業界に激震が走った。

この一年は僕たちの前に
壁に次ぐ壁が立ちはだかり右往左往しつつ
その都度全力で対応してきた。

「もう一年なのか、まだ一年なのか、どっちかナ」

ちなみに最後の「な」を「ナ」にするのは
好きすぎて困るほど好きな作家
伊集院静先生(僕にとっては先生)のマネだ。

「この先、いったいどうなるやら・・・」

心が沈みがちになる時
伊集院さんの文章を読むと
「これくらいで挫けてたまるか」
と思えてくるから不思議だ。

作家生活30年以上で
年齢は70歳を超える伊集院さんは
信じられないほど多作だ。

昨年大病を患い生死の境をさまよったにもかかわらず
それでも書き続ける姿勢に驚き
「俺も働くぞ」と襟を正さずにはいられない。

そんな伊集院さんがエッセイの中で初めて
「もしかして何かが書けたやもしれん・・・」
と、書き。

「買って欲しいと言っているのではない。
いいから読みなさい。読めば損はさせん」

(買わなきゃ読めないのだけど(笑))

と、初めて自分の本を紹介した。

それがこの時代小説。


ちょっとした解説じみたことを書こうと
パソコンの前であがいたが僕の筆力では到底無理だ。

「これを読まずに死ねるか」(内藤陳さんのマネ)



下巻の中盤からは、ひとり静かな場所で読んで欲しい。

本を読みながらボロボロなく姿を見られると
ちょっと困るからね。

コロナと潜水服

緊急事態宣言中ということもあり
家で過ごす時間がたっぷりあるので
以前にも増して好きな小説を読みふけっている。

そうなるだろうと思っていたのだが
本を読んでいてもなぜか集中が続かない。

正月に読もうと買い込んでいた本も
今だ積読(読まないまま積まれた本ね)状態だし。

そんな中でもこのコロナ禍の中でこそ
読んで欲しい本を二冊紹介したい。

ブログの「本のこと」コーナーも
随分更新していないし。

まずは僕の「迷わず買う作家リスト」のひとり
奥田英朗の新作を。


短編が5つ入っている短編小説集だ。

「短編はあまり読んだことがないんです」

本の話をブラスメンバーとすると
そんな声を多く聞く。

「それは小説の楽しみを半分放棄しているね」

僕の短編小説の楽しみ方は
お風呂で半身浴をしつつ短編の半分を読み
そのまま寝る前に残りを読み切る。

ま、自慢するほど独創的なことではないけど
読後感が爽快な小説を選べば
気持ちよく眠ることができる。

この「コロナと潜水服」は間違いなく
優しい気持ちで眠りにつくことを保証する。

それとは正反対に寝る前に読み始めると
ハラハラドキドキでページをめくる手を
止められなかったのがこれ。


誘拐ものはミステリーの題材として
海外でも日本でも多く取り上げられてきた。

数多くの作品が映像化もされてきたし。

そんな中、あの百田尚樹が
現代の誘拐ミステリーに挑んだのだ。

「そうか、そうか、そういうことだったのか・・・」

この時代でこそ起こりうる事件を
百田さんは極限まで書き切っている!

後半は特にハラハラして
読んでいて心臓の鼓動が上がる。

緊急事態宣言も延長してしまったし
ワイドショーはもう見たくない。

「みなさん、本を開きましょう!」

ノー・ルールズ

今日は今年に入って活発に活動をしている
ブラスゴルフ部の年内最後のラウンド。

コロナ騒動の中様々な規制がある中で
ゴルフは密から程遠いのでゴルフ場は活況だ。

12月間近なのに暖かい気候だしね。

そんなこんなで僕も間違いなく
今年は人生で一番ゴルフをした。

「さぞ、腕を上げたんでしょうね〜」

普通のスポーツなら
練習と本番を積めば積むほど上達する。

ところが、ところが
僕の今年の成績はココ数年で一番悪い(泣)

「なんでやねん・・・・」

何にでも理由がある。

それは54歳河合達明。

最新のゴルフ理論における
理にかなったスウィングをすることに挑戦しているから。

ゴルフをしない人は想像できないかもしれないが
春夏秋冬でそれぞれの顔を見せる木々に囲まれ
プロの手で整えられた芝が敷き詰められている
ゴルフコースは実に美しい。

しかしそんな景色も目に入らず
何十年もしてきたスィングを変えるのは苦痛で
大げさだけど何度も涙を涙を流してきた。

結婚式では決して泣かない
鬼と言われている僕がだ(笑)

道具の進化と科学的な解明により
どのスポーツもひと昔前の考え方と
現在の理論は真逆のことがある。

もちろん変わらぬ基本もあるけど。

テニスだって、ひと昔前の松岡修造のスウィングと
錦織圭とは素人が見ても全く違うことがわかるでしょ。

経営の理論もそれに通ずるものがある。


この本は爆発的な成長を遂げた
ネットフリックスの経営の仕方を経営者自らが書いた本。

コロナの影響で日本でも大幅に成長したことは
想像できるでしょ。

「世界一自由な会社、ネットフリックス」

僕がゴルフやテニスで
最新の理論を学んで挑戦して失敗しても
なんてことはないけど経営ではそうはいかない。

それでも突出した成長を遂げた会社から学ぶことは多い。

20年前、ネットフリックスと全米業界トップの
ブロックバスター社とは1000倍の差があった。

その会社にネットフリックスは身売りをしようと交渉し
なんと断られた。

それがなぜ大逆転が起きたのか。

ネットフリックスについては
ジジイ経営者より若者たちが身近だと思う。

興味が沸いたらぜひ読んで欲しい!

僕は何度も読み返し
ブラスの戦略ストーリーに合ったものを取り入れようと思う。

アルルカンと道化師

ドラマでは1000倍返しで幕を閉じた
半沢直樹。

始めは

「そんな銀行マンというより
失礼すぎる言葉遣いをする社会人は
さすがにいないでしょ・・・」

バカバカしいと思いつつ見てたのに

「ここまで徹底すると、アッパレだな」

に変わったのだった。

ドラマを見てない人は
訳が分からないと思うけどなんとなく噂で
見たような気になっている人も多いと思う(笑)

半沢直樹は今や、僕らのヒーローなのだ。

それで今回のドラマを見て
原作本を読もうと思った人も多いはず。

「よし、この時期に満を持して発売した
新刊を買おうじゃないの。
シリーズ最新刊だからドラマの続きでしょ」


そう思って読み始めた読者は
唖然とするはず。

スーパーヒーロー半沢直樹は
小説の世界では東京中央銀行大阪西支店の
支店長でも副支店長でもなくただの融資課長なのだ。

政治家相手に獅子奮迅の活躍ができるはずもなく
銀行の支店で地味に融資の審査を行っている。

「えっ、どうやって倍返しするの・・・」

そこは作者の池井戸潤先生の腕の見せ所だ。

今回の半沢は探偵のごとく
絵画に隠された謎を解き明かしつつ
悪い奴をやっつける!

「基本は性善説、合言葉は倍返し」

ドラマの続編はもう作らないらしいけど
大組織の中で戦う男半沢は
小説の中ではまだまだ健在だ。

銀行のために強引な企業潰しにかかる上司に

「融資は取引先のためにある」

と、正面切って戦う半沢にスカッとする。

ここ半年間、銀行との関係の大切さを
痛感しているだけに身に染みました。

エルメスの道

「ブラスブランドをつくろう」

と、言い続けてきた。

ブラスが遥かな目標に掲げている
結婚式を口コミで一杯にするには
ブランド力が必要なことは確かだ。

それでも「つくろう、つくろう」と
小手先の技術に走ったところで
つくれるもものではない。

実際、結婚式業界でブランドを確立して
内外からも認められている会社は
僕の知っている限りないし。

だからちょっと前のブログにこう書いた。

「ブランドはあらゆる企業努力による日々の蓄積が
結果的に発生するご褒美であり
気がつけばそこにあるもの、それがブランド」

だと。

なのでブランディングに関する本を
いろいろと読んでる中で
「おっ、これはイイ」と思ったのがこのマンガ!

エルメスの道 (中公文庫―コミック版)

エルメスの道 (中公文庫―コミック版)

大人の女性に

「ブランドと言えば、どのブランドを思い浮かべますか」

そんな質問をしたならば、かなりの確率で

「エルメス!」

と、答えると思う。

そんなエルメスのブランドストーリーが
なんと日本人の漫画家の手によって書かれているのだ!

もちろんエルメス社の正式依頼で出版された本だ。

エルメスは150年の歴史があり
創業は馬具をつくる小さな工房から始まった。

創業者は腕のいい職人だ。

馬車から車へと大きく時代が変わることや
二つの世界大戦を乗り越えコツコツ成長してきた。

究極のファミリービジネスだと思う。

その根底に流れるのはいつの時代も

「信用を一番大切にすること」

当たり前だが信用はすぐに手に入らない。

コツコツ積み上げるしかないのだと
改めて教わったのだった。

日本の漫画を文化として評価し
この本をつくったエルメス社はやはりセンスがイイ!

ボニン浄土

小笠原諸島へ何度も旅している後輩がいる。

「河合さん、ここは日本であって日本じゃない
何もかもが素晴らしい島だから
一度は行くべきですよ!」

一年ほど前に彼の熱弁を聞き
人生一度は行こうと思っている。

ところでみなさん

「小笠原諸島は、どこにあるか知ってますか?」

調べると

「小笠原諸島は東京都の行政区で
東京から南に1000キロの太平洋に浮かぶ
30以上の島々からなる。
小笠原諸島は別名を「ボニン諸島(Bonin Islands)」という」

と、書いてある。

かなり遠い上に空港が無く
アクセスは東京・竹芝桟橋との間
6日に1便運航している定期船の「おがさわら丸」のみで
片道24時間かかるのだ。

(詳しくは観光協会のサイトを見て)

どうして突然こんなことを書いたかというと
お盆に読んだ小説がとてつもなく面白く
小笠原諸島が舞台だったからだ。


どうして小笠原諸島が「ボニン」と呼ばれるのか。

物語は1840年から始まり
現代の日本と江戸時代の小笠原を行き来する。

怒涛の展開に手に汗を握りつつ読み進めながら
知らなかった歴史が浮き彫りになる。

「これこそ、小説を読む醍醐味だな〜」

夏の読書に相応しい一冊だと
自信を持っておススメします!!

水を縫う

高校生の主人公の清澄くんの趣味は手芸。

趣味の域を超えているほど縫物が好きだ。

学校では手芸部に入ろうとして
当然だが浮きまくる。

(浮かないような学校が多くできるとイイね)

かなり控え目なお姉さんがいて
その姉さんの結婚が決まり
ウェディングドレスを弟である主人公が作ることになる。

そんなことが書いてある書評を読んだら
僕としては興味津々になるでしょ。

迷わずアマゾンに注文し
一気読みをした本がこれだ。

水を縫う (集英社文芸単行本)

「レンタルのドレスはきらびやか過ぎて
どれも着る気がしない」

かわいいものが苦手な清澄くんの姉のセリフだ。

だから弟が一発奮起して
ドレスを手作りすることを決意する。

だが、いくら手芸が得意でも
いきなりウェディングドレスをつくることができるのか。

このあたりの展開はドレスショップを営む僕にとって
とても興味深い。

「そうだよな〜、既存のレンタルドレスに
違和感を感じる女性は想像より多いかも・・・」

これも日本人女性が結婚しても
結婚式及び披露宴をしない理由の一つだと気づく。

さて、清澄くんは姉が納得するようなドレスを
つくることができるのか。

そして将来は大好きな刺繍を職業にするのか。

「仕事と好きなことを結びつける必要はないし
それが人生の失敗でもない」

好きを仕事には素晴らしいことだが
それを強制する風潮にも息苦しさを感じる今日この頃。

じわっと温かい気持ちになるこの本を読んで
いろいろ考えるのもおススメです。

結婚させる家

婚活マーケットが活況を呈している。

身の回りにいるブラス社員などから

「アプリで彼(彼女)と出会いました!」

という話しを頻繁に聞くし
婚活を通して出会い結婚を決意し
ウチに来るお客様も年々増えている。

数字を調べると30代前半の未婚率は年々上昇し
男性は二人に一人(47%)
女性は三人に一人(35%)が独身だと
総務省が発表している。

そしてその中の男性も女性も90%の方が
「いずれは結婚するつもり」と答えている。

さらに広げると20〜59歳までの独身者は
全国で約2500万人いて
リクルートブライダル総研の調べでは
その内の452万人が婚活サービスを
利用経験者だと発表しているのだ。

「婚活マーケットはまだまだ伸びます。
そして少子化は日本の大問題なので
婚活は国にとっても重要な課題なのです」

そんな話しを昨年知り合った
婚活事業トップの会社である
IBJの石坂社長から聞いた。

さらにIBJのビジネスモデルを深く聞くと
ブラスの結婚式業界におけるモデルと似ていて
もの凄く共感した。

それ以来、婚活マーケットに注目しつつ
いろいろと調べている。

そんな中で出会った本がコレ。


「結婚させる家って、なんですか・・・?」

そんな疑問がすぐに沸くはず。

主人公は会員資格を40歳以上に限定した
結婚情報サービス会社の女性営業ウーマン。

彼女はテレビや雑誌でも取り上げられている
カリスマ相談員だ。

会員のカップリング率がものすごくて
指名が続々入って来るのだ。

「さぁ、どうやって成婚率を上げるのか!」

ウェディングプランナー諸君も
興味津々でしょ。

結婚に対する考え方は人それぞれでいい。

それでも人生は一人より二人の方が
楽しいことも多いし
何より結婚するしないは別として
新たな出会いを求めてチャレンジすることは
素晴らしいと思うのだ。

この本を35歳以上の独身女性に
特に自信を持ってすすめます!

よこどり

会社経営を長いことしているので
当然ながら銀行との付き合いは深い。

特にブラスは結婚式場を自前で建設しているので
主に銀行から資金を借りて建設費用に充てている。

今でこそ長年の実績と信用があり
上場企業でもあるから話は早い。

しかし創業当時は大変だった。

特に一号店をつくる時
右も左もわからない僕に
担当の稲垣さんは懇切丁寧に教えてくださった。

最後は上司を説得して
融資を決めてくださったことも良い思い出だ。

その十六銀行稲沢支店に感謝をしているし
今でも付き合いがある。

「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘をとりあげる」

銀行はこんな風に揶揄されることもある
組織だからこそ
そこには多くのドラマが潜んでいる。

一般にエリートと呼ばれる人たちも
多く在籍しているし、今も就活で人気は高い。

だから半沢直樹に代表されるように
ドラマや映画にもなるのだ。

ということで、ステイホームなGWに
本を一冊紹介したい。

プロローグでメガバンクの頭取(銀行の社長ね)と
その部下とのやり取りがこの小説を象徴している。

「君の手柄は、すべて私の手柄にする。いいな」

「それから、私の失敗は、すべて君のせいにする」

「ただ、心配する必要はない。
君も、君の部下に同じようにやればいい。
それが銀行だ」

こんなアホなやり方が成り立つとしたら
銀行は怖ろしい組織だ。

「銀行に就職しなくて良かったナ」

ま、僕がメガバンクに
就職できるはずがないけど(笑)

ただ人は巨大な権力がある組織に
惹かれる性質があり
特に男は基本的に競争が好きだから
権力闘争が一番の仕事になってしまう。

こんな旧態依然の会社組織からどう脱却するか。

ぜひ本を読んで考えてください。

流浪の月

「これほど自宅で過ごす時間が長い生活は
ずいぶん久しぶりだナ」

そんな人が多いと思う。

普段はほとんどテレビを見ないのに
コロナ関係の番組をついつい見てしまう。

専門家の言葉には重みもあり
情報を自分自身で整理するために
とても貴重だけど
ずっと見ていると気が滅入る。

それにテレビのコメンテーターに向かって

「おいおい、それは違うだろ〜」

などと口走ってしまうし悪癖も出るし・・・。

そんな時はひとり静かに本を読むに限る。

北上次郎さんという書評家がいて
若い頃から彼の推薦本をたくさん読んできた。

「面白い本しか紹介しない」

僕の北上さんへの信頼は
長年の積み重ねで鉄板といっていい。

流浪の月

北上さんは日経新聞夕刊の書評欄に
月に一度連載をしている。

それを読んですぐにアマゾンで買った本がこれ。

人と人との関係性は
その人たちにしかわからないし
いろんな関係があってイイ。

二人の主人公に感情移入しすぎて
胸が何度も締め付けられた。

と、ここまで書いていて
北上さんの言葉を引用しようと思い
ネットで検索したら

「2020年の本屋大賞は、流浪の月に決定」

そんなニュースが飛び込んできた!

もう僕の感想など必要ないね。

「とにかく読もう!」

今だからこそ、読むべき小説だと思います。

熱源

本社を移転して
早いもので4カ月がたつ。

新築のビルに入るという幸運に恵まれたから
オフィスのデザインを自由に設計することができた。

「家は三回建てないと
思い描いた理想の家は建たない」

と、よく耳にする。

今回の本社移転は二度目なので
その経験を活かしつつデザインをした。

それに今までハウスウェディング会場を
20店舗以上つくって来た実績もあるしね。

それでも本社総務の移転チームは
デザイン会社の担当と共に悩み疑い
考えに考え抜いて様々な決断をした。

「そりゃ一生一度の結婚式のことを
色々決めていくことは
初めて経験する若いカップルにとって
難しいに決まってるよ」

と、話しを結んだところで
本社の3階にあるスペースを紹介したい。

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「社長の本を持ってきてください!」

と、要請を受けて
段ボール箱に入っていた
ここ6年くらいで読んだ本をドッサリ飾った。

読んだことをすっかり忘れていた本ばかりで
自分のアホさ加減に呆れるけど
本を手に取ってパラパラ読むと内容を思い出す。

本社メンバーだけじゃなく
会議等で本社に来たら
ぜひ本を手に取って欲しい。

「読みたい本が見つかったら
そのまま家に持って帰っていいよ!」

で、この冬に読んだ本の中で
これを熱烈に推したい。

【第162回 直木賞受賞作】熱源
【第162回 直木賞受賞作】熱源 [単行本]

直木賞を取った作品だから
面白いに決まっている.

物語は歴史に埋もれた事実を暴きつつ
怒涛の展開ですすんでいく。

「滅びてよい文化などない。
支配されるべき民族などいない」

本社の本棚にも置いておくので
ぜひ利用してください!

江戸を造った男

海外旅行には必ず本を多めに持っていく。

本を切らすと怖いからだ。

「何が怖いのですか・・・」

「本を持ってないと
なんとなく精神的に落ち着かなくなるのです」

「軽い病気ですね」

僕を含めてそんな人は多いと思う。

それと非日常の旅行先で読む本は
一段と心に響く。

時差ボケで夜中に目が冴えてしまい
ベッドの上で集中して読めば
そりゃ物語の世界に没入できるというもの。


「8年ぶりに、鮫が帰ってきたぞ」

と、共に鮫ファンの友人から即連絡があり
この旅で読むことを楽しみにしていた。

「ああっ、面白かった!」

愛知県出身の大沢在昌が書き続ける限り
僕も読み続けることを誓ったのだった。

そして時差ボケで眠れぬ夜を
さらに眠れなくしてくれた小説がこれ。

江戸を造った男 (朝日文庫)

「自分がリーダーだと思うなら
この小説を読むべし!」

もちろんこれからリーダーになろうとしている
ビジネスマンにも大きな指針となる。

当たり前のことが書いてあるだけで
すぐに忘れるビジネス書を読むなら
物語の世界を楽しみつつも
河村瑞賢の生き様を堪能することにより
自分自身を律することができると思う。

「ひとたびこの世に生を受けたら
人はこの世に、その恩を返さねばならない。
それができれば、生涯に何の悔いもない」

ギリギリの追い込まれても
決してあきらめない瑞賢から
痺れる言葉が溢れ出てくる!

正月の読む本として
特に男子に絶対の自信を持ってススメます!

最強チームをつくる方法

ラグビー日本代表が準々決勝で南アフリカに敗れ
ワールドカップから姿を消した。

「もう少し、熱狂と興奮を味わいつつ
このチームを応援したかったナ」

ラグビーやスポーツ観戦に
あまり興味がない人たちも同じ気持ちだと思う。

試合終了後の選手たちの談話からも

「素晴らしいチームでした」

チームを称賛する言葉が
次々に出てくる。

僕たちはチームとしての理想を
日本代表に見せてもらったのだ。

とすると、今回の日本代表から学びを得て
会社というチーム作りに生かそうとするのは
経営者として当然のこと。

「よ〜し、まずは朝のスクラムだ」

それは無理に決まっているけど
日本代表チームは見ていると
お互いの距離が近く、よく輪になっている。

握手してハグして、グータッチをするなど
肉体的なコミュニケーションが多いのだ。

南アフリカ戦のハーフタイムで
控室の様子がテレビに映った。

それは「ONE TEAM」を象徴する
とてもいい場面だった。

「いいチームをつくろう」は
ブラス各店の合言葉に近い。

それぞれの会場の支配人は口癖のように
「いいチームをつくります」と言う。

振り返れば僕も
「いいチームをつくろうぜ!」と
激励することが多い。

では「いいチームをつくる方法があるのか」と
問われたら、確かにそれはあると思う。

ただ「これとこれを、こうやってやればOK」
といった、特効薬はない。

一つひとつを積み上げなければならないし
油断すると積木はすぐに崩れる。

現場で経験を積みながら
自分なりのチームづくりのやり方を
発見していくのもいいけど
チームに関する本は沢山出ていて
座学で勉強するのもいい。

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法

最近手にしたこの本に
とても勇気づけられた!

最強チームをつくる方法というタイトルだけど
マニュアルのような方法は書いてない(笑)

そこがイイ。

いいチームに共通する具体例が
沢山書いてありそこからの学びが大きいのだ。

特に第一章の

「安全な環境をつくる」

に、一番感銘を受けた。

「人が笑うのは、心から安心し
仲間とのつながりを信じている証拠だ」

謙虚さと笑いをもって仲間に接しよう。

ちょっとした礼儀や親切を忘れずに。

朝でも昼でも、今日初めて会った時は
握手をするブラスの習慣をできる限り守ろう。

「ブラス、なかなかいい線いってるナ」

とも思うけど、会社の拡大と共に
良き企業文化が薄れつつあることも確か。

「懸命に、懸命に、いい会社をつくり続けましょう」

ウェディングプランナーになりたい君へ2

予定より一年以上発売が遅れてしまった。

タイトルは
「ウェディングプランナーになりたい君へ2」だけど
1の前にゼロともいうべき一冊目があるから
同じタイトルで三冊目の本ということになる。


これが2008年発売の一冊目。


そして2013年発売の二冊目。

「5年後に必ず次を出版します!!」

と、当時の出版記念の場で言った覚えがある。

なので一年遅れでとうとう発売だ!


著者は僕になっていいるけど
今回もウチのウェディングプランナーを中心に
社員が自分の経験や想いを語っている内容だ。

タイトル通り

「ウェディングプランナーをなりたい君」に

ぜひ読んで欲しい!!

なぜならシリーズとしての
重要なコンセプトである

「ウェディングプランナーの仕事の素晴らしさ」

を届けることがこの本の使命だから。

ブラスという会社を説明するときに
ウェディングプランナーの話しはメインテーマだ。

小中学生が憧れる数少ない職種である
ウェディングプランナーの魅力を書きつつも
対比として現在の結婚式業界の姿を
提示しなければならない。

それぞれの会場が
「いい結婚式をつくり続けること」

それがこの業界が衰退することなく
発展し続ける原動力であり
サービス業の基本だと信じているから。

書籍3

この本がウェディングプランナーを志す人に
そして自分たちらしい結婚式を挙げたいと
思っている人にとって
一つの道標になることを願っています。

そして、バトンは渡された

この本は僕なんぞが推薦するまでもなく
本屋さんにドカンと積んである!


「本屋大賞受賞ですからね〜」

その上、沢山の賞を取っていもいるし。

それでも紹介したいほど
この本のことが好きだ。

主人公は血の繋がらない親の間をリレーされ
四回も名字が変わった森宮優子。

優子は3人の父親と2人の母親を持つ
17歳の女子高生。

で、現在は37歳の継父と
2人暮らしをしているのだ。

「こりゃ、不幸な物語かな・・・」

と、思ったら大間違い。

「困った、全然不幸ではないのだ」

で、第一章は始まる。

そして周囲の家族たちも
優子に惜しみない愛情を注いでいる。

「そうか、そうだよな〜」

読みながら今までの自分の
凝り固まっていた思考が解けていく。

「誰かを大切にしたり
愛おしく思ったりする気持ちは
決して「血の繋がり」だけで生まれるものではない」

そんな言葉がきれいごとではなく
腹にストンと落ちる。

好きな場面が沢山ある。

合唱であったり、ピアノであったり。

そして語り部が変わる
最後の数ページがとにかくイイ。

結婚式を生業とする僕にとっては特に。

列車の中で読み終わったので
月並みだけど涙があふれて困った。

「己以外の誰か
何かを幸せにしたいと願うのが
大人の生き方ではないか」

誰の言葉か忘れたけど
自分以外の人のために尽くす人は輝いている。

超ド級のおススメ本です!!

傲慢と善良

「社長、最近おススメの本はなんですか?」

と、聞かれて困った。

「そういえば今年に入って
ブログにもおススメ本を書いてないし・・・」

そんな時に読んだ本がコレ。


読み応えヘビー級の小説だ。

ガツンと心を鷲づかみにされた上に
ぐりぐりと痛いところを突いてくる。

婚活で出会った男と女の物語だ。

本の帯に堂々と
「圧倒的な恋愛小説」と書いてあるのに
どうしてどうしてそんな展開になるの。

「サクッと結婚式てくれたら
ウチの業界も助かるのにな〜」

読みながら、のん気に構えてられない。

主人公の人生はあまりに切実であり
結婚したくてもできない
もしくは出会いがあるようでない
リアルな現代を表現しまくっている。

「婚活につきまとう、「ピンとこない」って
あれ、何でしょうね」

婚活には全く縁がなかったし
僕の時代は婚活という言葉すらなかった。

経験はないけど想像はできる。

男と女の傲慢も善良も。

分厚い本だけどぐいぐい物語に引き込まれ
時間を忘れて読みふけった。

生きていく痛みと苦しみの先に
幸せはあるのか。

どうか小説を読みなれない方で
結婚に迷っているなら
この本を手に取って欲しい。

そして何とか第三章にたどり着いて。

もちろんウチの「本社四天王」や
「四天王ジュニア」たちも(笑)

あっ、「こつぶ会」もね。

ウェディングプランナー

「すべての女子に捧げる、ブライダル小説の決定版」

と、本の帯に書いてあるなら読むしかない。

しかも作者が以前にブログに書いた
あの子が結婚するなんて」の五十嵐貴久ならば。


かなり複雑な思いでこの本を読み進めた。

作者はこの業界とこの仕事について
調べたうえで書いたと思う。

現役かどうかは知らないけど
ウェディングプランナーだと自分では思っている人から
取材をしたと巻末に書いてあるし。

物語の主役であるプロデュース会社に勤める
中堅どころのウェディングプランナーは
仕事に一生懸命でなかなか出会いがない。

「これは、確かに思い当たるフシがあるナ」

ところがひょんなことから出会い
結婚を決意する。

そこから自らの結婚式に向かって
様々なことが起こる物語だ。

せっかくこうして本を紹介しているのだから
批判めいたことは書きたくはない。

けれどもこの程度の認識と想像力で
結婚式業界とウェディングプランナーのことを書かれると
とても「ブライダル小説の決定版」とは言えない。



僕が読んだ中で
一番好きなこの小説には遠く及ばないと思う。

結婚式業界に興味がある人や
この業界に携わる人が二冊を読み比べてみると
結婚式についての思いが深まると思う。

お正月休みにぜひ!

男たちの船出

年末が近づくと本の紹介をしたくなる。


が、しかし、この装画を見た瞬間
女性は誰も買わないと想像する。

まさにその通りで
伊東潤という剛腕作家が
男の為に描いた男たちの物語だからだ。

主人公は江戸時代に命懸けで
「千石船」造りに挑む船大工の父子。

当時の常識を超えた
「千石船」をつくることは困難を極める。

ましてや失敗すると
大損どころか乗組員の命も奪ってしまう。

それでも挑戦することをやめないのが人であり
人の歴史だと思う。

「泣ける本です」

などと陳腐な紹介はしたくない。

それでもあえて書くとすれば

「男なら、図らずも泣いてしまう本です」

昔は文字通り「命懸け」の仕事が沢山あったし
懸けなければ暮らせなかった。

だからこそ
男が男でいられたとも思う。

作者は作家になる前は
バリバリのビジネスマンだった。

自身の仕事に対する考え方や
商人の理想像を物語のサイドストーリーとして
河村瑞賢(授業で習いましたね)に語らせている。

これもまたイイ。

「船が沈んでも、お前さえ生き残っていれば
また勝負できる」

「仕事とは、うまいことばかり言ってやらせても
ろくなことにはならない」

「目先の利を捨てて、先々にあるはずの大利を得よ」

「商人が何かを独占するとか、そういうものが大嫌いだ」

などなど。

年末に読めば
来年へ向けて大いに気合が入るはずです!

野の春

商談の席でも食事の席でも
本の話題になることが度々ある。

経営者仲間は本が好きだし。

そして
「どの作者の、どの本が一番好きですか」
そんな話しになる。

すると待ってましたとばかりに
身を乗り出して話す自分がいる。

そりゃ、本が相当好きだから。

21歳の頃にふとしたきっかけで本が好きになり
それ以来膨大な時間を本と共に過ごしてきた。

本を読んでいることを褒められることがあるけど
ただただ好きで読んでいるだけなので
ちょっと返事に困る。

好きなことが習慣になると
努力を努力とは思わなくなるから
何かを取得するなら最強だと思う。

例えば英語をマスターするには
2760時間が必要だと
専門家がインタビューで答えていた。

ほとんどの人が中学高校で800時間習っているから
あと2000時間だ。

ちなみに週一回の英会話教室だと
46年ほど通わなければならない(笑)

「だからさ、本を読むみたいに
英語の勉強を習慣化すればいいんだよ〜」

と、わかっちゃいるけど
まったく習慣化ができない・・・。

それはともかく
長らく本を読み続けてきた中で
思い出深い一冊を上げろと言われたら
この小説しかない。


僕が一番好きな作家である
宮本輝の代表作がこれだ。

今から37年前に第一部が世に出た。

そして長い長い年月を経て
最終巻が本屋さんに並んだのだ。


「とうとう終わってしまったんだな」

残りのページをいとおしみながら
ゆっくりと読み切った。

「人間の幸福とは何か。
僕が小説家として伝えられるのは、それだけです」

と、宮本輝はエッセイで書いている。

僕は29歳で出会って
それからすべての新刊を読み
特に好きな小説は何度も読み返してきた。

それで何かを取得したかどうかはわからない。

でもきっと、目に見えない大切な何かを得たのだと
最終巻を読んで思った。

若い本好きは
きっと宮本輝を読んだことがないと思う。

「これから読めるなんて、幸せだね。
もう文庫本になってるし」

僕も「流転の海」を
第一部から読み返そう。

きっと若い頃にはわからなかったことや
新しい幸福に出会えると思う。
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