小説を読む効用
「社長ブログのおすすめ本を、母が読んでいるんです」
「それはうれしいな。僕のブログをきっかけにして
小説を読むようになったのね」
本についての会話ができてうれしかった。
僕は20歳の頃から好きで読んでいるだけだけど
じわりじわりと自分の精神的な成長に
読書がつながっていると59歳の今は思う。
若いころはネットもゲームもなく
ましては配信のドラマもないから時間を持て余していた。
「本でも読むか〜」
軽い気持ちで手に取った
村上龍のこの本で目覚めた。
そこからは面白さだけを求めて
次々に読み漁った。

この大作を読んで冒険小説という分野が好きになった。
娘の名前に詠美と名付けたのは
山田詠美さんの世界が好きだから。
一番好きな作家は誰ですかと問われたら
迷いなく宮本輝と答える。
宮本輝先生は80歳になろうとしている今も
精力的に小説を書き続けている。
最新作は四か月連続で発売になる
幕末の日本を舞台にした初の歴史小説なのだ。
宮本輝先生の小説だけでなく
若いころに読んだ本を読み見返してみると
「ああ、こういうことだったのか」
若気の至りというか、ただのアホだったので
今もアホだけどそれなりに気づくことが多々ある。
ちょっとは大人の男になれたとしたら
自分が読んだ様々な小説のお陰でもあると
今なら思う。
たまに電車に乗ると、ほとんどの人々がスマホを見ている。
新幹線でもそうだ。
「究極のヒマ潰しだな、スマホは」
スマホのアプリで本を読んでいる人もいると思うけど
スマホを開くのをグッとこらえて
文庫本をカバンから取り出そう!
カバンに本をいつも入れておくのもイイ。
そうだ、恋愛のモデルだって
小説を通して先に知っておくといい。
日経新聞の書評で絶賛されていた
島本理生の新作は59歳のオッサンが
夢中になるほど面白かった。
みなさんも、ぜひ。