2023.8
ブラス登山部 2023 なぜか硫黄岳 その1
8月1日午前6時30分。
ブラス登山部一同はバスに乗り込み
八ヶ岳連峰の最高峰である「赤岳」へ登頂するべく
出発した。
ブラス登山部の歴史は古い。
過去の登山歴はすべてブログに書き記してあるから
思い起こそうと検索したけど思うように検索できず
もっと細かくカテゴリー分けをしようと思ったのだった。
そんなことはさておき
今回の登山行程は昨年のような超初心者向けじゃなく
標高2899mの赤岳に挑むもの。
「一刻も早く登山口に行かないと、時間的に苦しいぞ」
休憩もそこそこに僕らのバスは八ヶ岳へ向かう。
それでもバスの中では登山部の伝統を守らねばならない。
バスの中で映画「海猿シリーズを見るべし」
主人公である先崎の獅子奮迅の活躍に心震わせ
気合を入れて登り始めるのだ。
写真を見ればわかる通り
今年の登山部員はたったの15名。
「離脱組に後悔させてやろうぜ」
そんないやらしい考えが浮かばないほど
鮮やかな緑と清流に囲まれた登山道を歩く。
ところがまだ中間地点にも満たない場所で
チームの精神的支柱である梅本リーダーが倒れた・・・。
「立て、お前が諦めたら、利益が上がらんだろ」(笑)
山頂まで3分の1地点にある「赤岳鉱泉」で
おにぎりをほおばりつつ長めの休憩を取る。
下山をすることが頭をよぎる、梅本。
「おいおい、同じ諦めるにしても
中間地点にある行者小屋までは行こうぜ。
最悪、そこで宿泊できるからな」
そこからは急な登りが続く。
先頭を行く登山部の手嶋部長が
大声で僕らを鼓舞する。
「ここは頑張りどころだぞ。
一歩一歩焦らず足を出そう」
息が上がり、足に乳酸がたまり
登山に来たことを後悔するのはこのあたりだ。
その時、光が射し、美しい景色が広がる場所に出た。
「休憩しよう」
と、スマホを取り出し、先頭を行く僕は
登山専用の神アプリと言われている「YAMAP」を確認する。
一瞬で僕は青ざめた・・・・。
「手嶋、完全に道を間違えて登ってしまったぞ」
何度も確認をしたのに
行者小屋経由で赤岳にすすむはずが
手嶋が自信満々にアゴを出して
「社長、間違いないっス。
すれ違った登山家にも尋ねましたから」
この中では僕が一番の経験者だから
確認しなかった僕も悪い。
「どうする、登山部」
来た道を下れば、もう赤岳へ登ることは
体力的にも時間的にも不可能だ。
「登ろう、このまま進めば硫黄岳に登頂できるはず。
ただ、そこにある硫黄岳山荘が僕たち15名を
泊めてくれないとこれ以上は登れないけどな」
手嶋が得意の交渉力を発揮して
なんとか許可をいただき僕らは硫黄岳へ向かった。
山の天候は変わりやすい。
雨が降り、風も吹いてきた。
レインウェアを装着し慎重に歩みを進めて
硫黄岳山頂へたどり着くも
寒さで写真を1枚とるのが精一杯だ。
そこから硫黄岳山荘への道のりは苦しかった。
午後3時30分。
ブラス登山部一同は無事に山荘へたどり着き
親切な山小屋の店員さんが笑顔で迎えてくれた。
「すいませんが、突然なので、夕食は18時40分からです」
山小屋の夕食は17時頃から始まるのが通常なので
時間を持て余した僕らは酒盛りを始めるしかない(笑)
激しかった今日の出来事を肴に。
「ま、よくやったな、梅」
夕食前にふと外に出ると、なんと
「お〜い、虹が出てるぞ〜。しかも縦だ」
縦の虹は「幻日」と呼ばれていて
幸運のサインとのこと。
「よ〜し、明日は晴天の中、縦走しようぜ」
梅本のイビキに悩まされながらも
僕らはグッスリと雑魚寝したのだった。
続く。
ブラス登山部一同はバスに乗り込み
八ヶ岳連峰の最高峰である「赤岳」へ登頂するべく
出発した。
ブラス登山部の歴史は古い。
過去の登山歴はすべてブログに書き記してあるから
思い起こそうと検索したけど思うように検索できず
もっと細かくカテゴリー分けをしようと思ったのだった。
そんなことはさておき
今回の登山行程は昨年のような超初心者向けじゃなく
標高2899mの赤岳に挑むもの。
「一刻も早く登山口に行かないと、時間的に苦しいぞ」
休憩もそこそこに僕らのバスは八ヶ岳へ向かう。
それでもバスの中では登山部の伝統を守らねばならない。
バスの中で映画「海猿シリーズを見るべし」
主人公である先崎の獅子奮迅の活躍に心震わせ
気合を入れて登り始めるのだ。
写真を見ればわかる通り
今年の登山部員はたったの15名。
「離脱組に後悔させてやろうぜ」
そんないやらしい考えが浮かばないほど
鮮やかな緑と清流に囲まれた登山道を歩く。
ところがまだ中間地点にも満たない場所で
チームの精神的支柱である梅本リーダーが倒れた・・・。
「立て、お前が諦めたら、利益が上がらんだろ」(笑)
山頂まで3分の1地点にある「赤岳鉱泉」で
おにぎりをほおばりつつ長めの休憩を取る。
下山をすることが頭をよぎる、梅本。
「おいおい、同じ諦めるにしても
中間地点にある行者小屋までは行こうぜ。
最悪、そこで宿泊できるからな」
そこからは急な登りが続く。
先頭を行く登山部の手嶋部長が
大声で僕らを鼓舞する。
「ここは頑張りどころだぞ。
一歩一歩焦らず足を出そう」
息が上がり、足に乳酸がたまり
登山に来たことを後悔するのはこのあたりだ。
その時、光が射し、美しい景色が広がる場所に出た。
「休憩しよう」
と、スマホを取り出し、先頭を行く僕は
登山専用の神アプリと言われている「YAMAP」を確認する。
一瞬で僕は青ざめた・・・・。
「手嶋、完全に道を間違えて登ってしまったぞ」
何度も確認をしたのに
行者小屋経由で赤岳にすすむはずが
手嶋が自信満々にアゴを出して
「社長、間違いないっス。
すれ違った登山家にも尋ねましたから」
この中では僕が一番の経験者だから
確認しなかった僕も悪い。
「どうする、登山部」
来た道を下れば、もう赤岳へ登ることは
体力的にも時間的にも不可能だ。
「登ろう、このまま進めば硫黄岳に登頂できるはず。
ただ、そこにある硫黄岳山荘が僕たち15名を
泊めてくれないとこれ以上は登れないけどな」
手嶋が得意の交渉力を発揮して
なんとか許可をいただき僕らは硫黄岳へ向かった。
山の天候は変わりやすい。
雨が降り、風も吹いてきた。
レインウェアを装着し慎重に歩みを進めて
硫黄岳山頂へたどり着くも
寒さで写真を1枚とるのが精一杯だ。
そこから硫黄岳山荘への道のりは苦しかった。
午後3時30分。
ブラス登山部一同は無事に山荘へたどり着き
親切な山小屋の店員さんが笑顔で迎えてくれた。
「すいませんが、突然なので、夕食は18時40分からです」
山小屋の夕食は17時頃から始まるのが通常なので
時間を持て余した僕らは酒盛りを始めるしかない(笑)
激しかった今日の出来事を肴に。
「ま、よくやったな、梅」
夕食前にふと外に出ると、なんと
「お〜い、虹が出てるぞ〜。しかも縦だ」
縦の虹は「幻日」と呼ばれていて
幸運のサインとのこと。
「よ〜し、明日は晴天の中、縦走しようぜ」
梅本のイビキに悩まされながらも
僕らはグッスリと雑魚寝したのだった。
続く。