2020.7
水を縫う
「レンタルのドレスはきらびやか過ぎて
どれも着る気がしない」
かわいいものが苦手な清澄くんの姉のセリフだ。
だから弟が一発奮起して
ドレスを手作りすることを決意する。
だが、いくら手芸が得意でも
いきなりウェディングドレスをつくることができるのか。
このあたりの展開はドレスショップを営む僕にとって
とても興味深い。
「そうだよな〜、既存のレンタルドレスに
違和感を感じる女性は想像より多いかも・・・」
これも日本人女性が結婚しても
結婚式及び披露宴をしない理由の一つだと気づく。
さて、清澄くんは姉が納得するようなドレスを
つくることができるのか。
そして将来は大好きな刺繍を職業にするのか。
「仕事と好きなことを結びつける必要はないし
それが人生の失敗でもない」
好きを仕事には素晴らしいことだが
それを強制する風潮にも息苦しさを感じる今日この頃。
じわっと温かい気持ちになるこの本を読んで
いろいろ考えるのもおススメです。