蜜蜂と遠雷
個性的で温かい人が集まって最高の演奏をする」
そんな思いを込めて
ブラスという社名を付けた。
それ以来
「ブラスバンド部で活躍してたんですよね〜」
と、当然ながら聞かれる。
「はい、ブラスバンドの楽器には
触ったこともありません・・・」
という会話の次に話すことをつくる為にも
一号店をつくった直後にブラスバンド部を結成した!
滑ったり転んだりしながらも
ブラスバンド部は活動を続けてきた。
そして僕のテナーサックス歴も10年を超えた。
「もう譜面だって、スラスラ読めますよ」
というのは大嘘で
バンドマスター(ビードレッセのともえさん)から新譜を渡されると
右往左往する姿は全く変わらない(トホホ)
話しは変わって「達明バンド」での練習の時のこと。
僕(ギターとヴォーカル)と下野くん(ベース)は
しっかりと個人練習をしてから参加する。
そうしないと、バンドの練習にならない。
方や寺島先生(ピアノ)と田中しほ(ヴァイオリン)は
ほぼ初見でスイスイ演奏する・・・。
「なんですぐに弾けるの〜」
下野くんがボヤく。
答えはカンタンだ。
子供の頃から気の遠くなるような時間をレッスンに
音楽に費やしてきたから。
それでやっと本の話しなのだが
ここんとこ夢中になって読んでいたこの小説は
ピアノコンクールを舞台とした青春小説だ。
まさに選ばれし天才ピアニストたちが
万単位の時間と人生のすべてを音楽に捧げてきて
コンクールに挑む姿が丁寧に丁寧に書かれている。
演奏をするシーンでは
まるで音楽が聞こえてくるようで手に汗を握る。
作者である恩田さんの
音楽を文字にする技術もまた
プロ中のプロだなと思わずにはいられない。
「音楽っていいな」
ミュージックの語源は「神々の技」だという。
クラッシックであれロックであれ
生演奏を聴くと確かに神業だなと思うことがある
そんな神業を聞くのではなく読むことで
思う存分楽しめるこの作品を自信を持っておススメします!