不運と思うな
何を持っていこうかなと考え
「花と本」にしようと決めた。
花は基本だとしても
本はやや重荷になる場合がある。
ましてや社長から渡されると
入院中なのに「読まなきゃ」
というプレッシャーになりかねない。
それでも持って行ったのは
約一か月間の入院中は
ベッドから動けないと聞いていたからだ。
痛みは全くないから
気を紛らわせるものは
やっぱり本が最適だと判断した。
本屋さんに入り
どんな本がいいかなと探した。
「これだ!」
ほぼすべての著書を読み
長年に渡って敬愛する伊集院静の大ヒットエッセイ第6弾だ。
タイトルが今の成瀬(入院中の社員)にピッタリなのだ。
「成瀬、不運と思うなよ。
もっと辛い人は世の中にゴマンといる。
今の苦しい時間が成瀬を成長させるぞ」
伊集院さんの言葉を借りて
病室で少しだけ社長らしいことを話す。
そして読み応えのある小説をあと二冊渡して
病室を後にした。
病室にはブラスの仲間からのお見舞いで
こんな品々がどっさりあって笑った。
「いつも笑いを」だね〜。