下町ロケット2 ガウディ計画
下町ロケット。
その続編がこの本だ。
前作の感動が再び味わえるのか。
またも、主人公の佃社長になったかのごとく
中小企業経営者の悲哀を感じることができるのか。
「ま、池井戸さんの作品は沢山読んだし
あれから押しも押されぬベストセラー作家になったし
下町2は読まなくていいかな」
と、思っていた。
が、チラッと読むとすぐに物語の世界に入り込み
怒涛の一気読みだ。
今回の主人公は
佃製作所の佃社長ではない。
中小企業でありながら
世界的に通用する技術を持つ
佃製作所に勤務する無名のエンジニアたちだ。
大企業の論理や
既得権益の壁に立ちふさがれ
ガウディ計画は危機に陥る。
水戸黄門のごとく、わかってはいる。
最後は佃製作所が生き残ることは。
それでも物語に入り込むと
「いい加減にしろ〜」
と、汚い手を使うライバルに
本を読みながら本に言ってしまう(アホです)
そして本の中で佃社長が呟くセリフに熱くなる。
「ビジネスのベースは信頼関係だ」
「自分のやりたいことさえやっていれば
人生ってのは、そんなに悪いもんじゃない」
池井戸潤さんのビジネス小説は
何を読んでもやはり一級品の味わいがある。