すばらしき世界
「これは傑作に違いない」と確信した。
そりゃ西川美和監督の作品で
主演が日本が世界に誇る名優役所広司だから
映画ファンなら誰でも思うはず。

刺青が入った怖そうでいて
なぜか親しみを感じる男の表情がイイ。
男の前にはなぜか花が舞っていて
映画のタイトルが「すばらしき世界」
映画の中でいったいどんな
「すばらしき世界」が展開するのか。
物語は冬の旭川刑務所で主人公が
長い刑期を終えて上京するところから始まる。
かつて人を殺めたことのある男は
はたして娑婆で人生をやり直すことができるのか。
一筋縄でいくはずがない。
刑務所から出た犯罪者が再び罪を犯す確率は
半分以上あるとも聞く。
役所広司が演じる三上という男の行動に
「おいおい、馬鹿なことするなよ〜」
と、声に出しそうになるし
抑え切れない三上の恐ろしい暴力性を
目の当たりにするとゾッとする。
三上を愛すべき犯罪者として
決して美化してはいないのだけど
ついつい感情移入してしまうのはなぜだ。
ま、思わず笑ってしまう場面があるのも
この映画の大きな魅力なのだけど。
さて映画の終わりに差し掛かるにつれ
三上は善意あふれる人々の支えで・・・・。
ここからは書くわけにはいかない(当たり前)
泣ける映画がいいとは思わないが
図らずも泣いてしまう場面が
あちこちにちりばめられているこの映画が
ものすごく好きだ。
「鬼滅もいいけど日本には
こんなにも素晴らしい映画を作る
監督を中心とした制作チームと役者たちがいるんだぞ〜」
近年見た日本映画のマイベスト1だ!!
「みなさん、必見ですよ〜」